教皇の“神聖なる自撮り”が見られる! ローマ教皇のインスタグラム開始に世界が大興奮

 第266代ローマ教皇フランシスコが今月19日より、SNSサービスのインスタグラムを開始した。このニュースを報じた海外メディアは、いくぶん興奮気味に教皇の“インスタ参加”を歓迎した。流行に敏感なセレブや若者が使用しているイメージのあるインスタグラムをローマ教皇が始めるということで、世界中にいる教皇ファンの関心を集めている。

 フランシスコ教皇は、先月26日にインスタグラムの共同創業者・最高経営責任者(CEO)ケビン・シストロム氏とバチカン宮殿で会談している。米TIME誌によると、会談の中で2人は「イメージの力」について話し合い、「写真には“国境、文化、年代を越えて人々をひとつにする”力がある」と語っていたという。

◆海外メディアの盛り上がりぶりからわかる教皇の“愛され度”
 ローマ教皇はおそらく多くの日本人にとってあまり馴染みのない存在だろう。しかし、海外ではフランシスコ教皇の人気はかなり高く、人々の敬愛を集めているようだ。

 たとえば、米ニュースサイトのビジネス・インサイダーの記事「フランシスコ教皇人気の7つの理由」では、「“民衆の教皇”であること」(障がい者の男性の足に跪いてキスしている画像が併せて掲載されている)、「カトリック教会がかつて批判していた人々(同性愛者など)を受け入れたこと」、「教皇に会いたがっている人々には可能な限り応えてくれること」などを挙げている。

 カトリック教会の古い慣習にとらわれず、民衆のために世界中を奔走し身を粉にして活動しているフランシスコ教皇だからこそ、こんなにも支持されるのだろう。

◆ありのままのフランシスコ教皇を見せてほしい!
 米ニューヨーク・マガジンは、「教皇がインスタグラムについてオプラから学べること」と題した記事で、教皇のインスタ戦略について勝手にアドバイスした(教皇は読まないと思うが)。

 同記事では、「バチカンはすでに公式のインスタグラム・アカウントを持っているが、とても退屈な内容だ。そこで、教皇のインスタグラムを楽しいものにするための参考になりそうな(有名人の)投稿をいくつか集めてみた」として、アメリカのテレビ司会者オプラ・ウィンフリーやカリスマ主婦マーサ・スチュワートのインスタグラムからわざわざ画像を引っ張りだしてきてあれこれ論じた。

 同記事で筆者は、教皇の激務を思いやりつつも「キラキラしたことはバチカンの公式アカウントに任せて、教皇のアカウントでは人間的な、ありのままの姿を見せてほしい」と締めくくった。

 一方、英メトロ紙に寄稿したRob Waugh氏は、「“神聖なるセルフィ”に心の準備を」というタイトルで、「教皇はこれからインスタグラム上でジャスティン・ビーバーと火花を散らすのだ」とおどけた。

 難しい言葉を駆使して長々と正論を述べるよりも、たった1枚の写真に民衆の心を動かすパワーがある。歴史上の事件を振り返ってみても、思い当たる節が沢山ある。“写真メイン”のインスタグラムは、教皇が世界中の人々にメッセージを伝える際の強力なツールとなりそうだ。

Text by 月野恭子