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中国のネット通販、“4割が偽物か粗悪品”政府が公表 コピー天国の返上へ本腰か?

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中国のネット通販、“4割が偽物か粗悪品”政府が公表 コピー天国の返上へ本腰か?

 昨年、中国でネット販売されていた商品のうち、正規品、もしくは品質水準を満たしているものは58.7%に過ぎなかったことが公式の報告書で明らかにされた。4割は偽物、粗悪品だったと中国国営新華社通信は伝えた。中国ではネット小売市場が急成長している一方、偽物問題がその足かせとなっている。今回、その実情が公表されたことは、問題の撲滅に挑む中国の本気ぶりを示すものかもしれない。

◆急速に拡大する中国の個人向けネット通販市場
 報告書は、中国の国会に相当する全国人民代表大会(全人代)の常務委員会に2日提出されたもので、内容は、2013年に同委員会で可決された「改正中華人民共和国消費者権利利益保護法」の実施状況についてのものだ。

 中国ではネット小売市場が急速に拡大している。報告書によると、ここ数年、市場規模は毎年4割拡大し、2014年には2.8兆元(約53.5兆円、4420億ドル)に達した。印PTI通信によると、これはアメリカの約3000億ドル(約36.4兆円)を上回り、世界一だった。独国際公共放送ドイチェ・ヴェレ(DW)によると、2014年の中国の小売全体のおよそ1割をネット通販が占めた。ネットショップ数は昨年、3億6100万店に及び、中国の総店舗数の55.7%を占めたという(PTI)。

 中国経済はこれまでの製造業中心から、サービス業中心へと転換を図っている。中国経済の減速が叫ばれる中、ウォール・ストリート・ジャーナル紙によれば「サービス業は好調を維持する数少ない部門の一つ」だ。2015年1-9月期ではサービス業が国内総生産(GDP)に占める割合は51.4%となり、前年同期の49.1%から上昇したという。

 中でもインターネット産業が好調だ。中国インターネット情報センター(CNNIC)によると、過去5年間、インターネットは中国の経済成長の極めて重要な要素となったという。インターネット産業は中国のGDPの7%を占めており、これはアメリカの6%を上回るという。

◆中国のネット通販の「中心的問題」
 だが、そんな中国のネット小売市場にあって、偽物のまん延は根深い問題であり、しかも拡大傾向にあるという。

 報告書によると、中国当局は昨年、ネット通販に関して7万7800件の苦情を受け付けたそうだ。これは前年の356.6%(約3.5倍)であり、驚くほどの増加だと新華社(11月3日付)は伝えている。中国商務部は、偽造品、粗悪品の製造・販売が、ネット通販における中心的問題になっている、と位置づけているとのことだ。

 ロイターは、4割以上が偽物、粗悪品という事実について、急成長中のネット産業の足かせとなっている問題の深刻さをはっきり示した、と伝えた。

 中国は海賊品、偽造品についての悪名が高く、それを払いのけようと務め続けているが、この問題はアップルから高級品小売業のLVMH(モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン)まで、中国市場をターゲットにしている世界的ブランドにとって、長きにわたって主要な頭痛の種である、とロイターは語っている。

 DWはそれに呼応するかのように、報告書は、中国が悪名を払いのけることに関して、これまでのところ十分な進展を見せていないことを明らかにした、と伝えた。

 新華社の10月13日付記事からは、偽物問題の根深さが垣間見える。それによると、この問題は、2008年の経済危機後、多数のOEM業者が、アリババグループのタオバオ(淘宝)マーケットプレイスで製品を売り始めたことによって、より明らかになったという。OEM業者には高い製造力があったが、ブランド力と設計力を欠いていた、と新華社は語る。ぼかした書き方がされているが、OEM供給を受けていた業者が、ライセンスを無視して、非正規品やコピー商品を流通させたことをほのめかしたものと思われる。

 新華社(11月3日付)によると、報告書では、ネット販売の管理強化が主張されているそうだ。具体的には、電子商取引分野の法制定の加速と、監督強化、消費者の権利と販売者の責任の明確化を促したという。

 報告書は中国全人代の公式ウェブサイト中国人大網で公開されている(中国語)。PTIは、公表はまれな措置だと語っている。中国ニュースサイト、チャイナトピックスは、報告書を公表するという中国の決定は、広く好意的に受け止められている、と語る。

 公表は、中国がこの問題に本気で取り組み、コピー大国という汚名をそそぐ覚悟を、内外に表したものなのかもしれない。

◆中国EC最大手のアリババグループに各方面から批判集中
 ネット通販の偽物問題で、最も批判にさらされているのは、中国最大のCtoCマーケットプレイスであるタオバオを運営するアリババグループだ。アリババは近年、電子商取引(EC)の世界的大手となっていて、中国を代表する企業の1つになっている、とPTIは語る。しかし、ネット通販での偽物の増加に不満が高まっており、アリババのようなEC大手企業の信頼性について疑念が持ち上がっている、とされている。新華社(10月13日付)は、アリババは偽物に乗じて儲けていると一部で言われていると伝える。

 DWによると、今年1月、中国国家工商行政管理総局は、アリババが偽物、粗悪品の販売を防ぐために十分な措置を講じていないと非難したとのことだ。またチャイナトピックスによると、米国アパレル・履物協会は10月、米通商代表部に、タオバオを「ノートリアス・マーケット・リスト」に入れるよう求めたという。これは偽物がまん延している市場のブラックリストである。タオバオは以前にもこのリストに載せられていたことがある。

 アリババ側はこうした批判に対し反論を行っている。PTIによると、創業者の馬雲会長は、アリババは販売者の綿密な調査を行うことに非常に注力していると繰り返し述べている。またチャイナトピックスによると、アリババは偽物を排除するため有名ブランドと協力しているという。

 新華社(10月13日付)は馬会長にインタビューを行い、会長の反論を中心に報じている。馬会長は、偽物問題ではアリババも被害者だと強調している。偽物を1つ販売すると、顧客が5人離れていってしまうことにもなりかねない、と馬会長は語っている。

 さらに馬会長は、偽物問題は中国経済にとってもマイナスだとしている。偽物は中国の製造業界に根本的損害を与えかねない、と語っている。アリババと中国経済は一蓮托生であり、もしも「メイド・イン・チャイナ」が目先のことだけを考えて荒稼ぎするのなら、アリババには未来がない、と語っている。

 新華社は、法を改善することだけが、誠実な企業が競争力のあるブランドを築く助けとなるだろう、と語っている。新華社が馬会長の発言を報道したのは、そのための地ならしのキャンペーンの一環と捉えてもよさそうだ。

(田所秀徳)

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