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“まだ勝利ではない” 香港、中国主導の選挙改革案を否決も…続く現行制度

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“まだ勝利ではない” 香港、中国主導の選挙改革案を否決も…続く現行制度

 香港議会は18日、北京の中央政府が提案した次期行政長官選挙の改革案を否決した。この改革案を巡っては、中央政府が押し付けた“偽りの民主主義”だとして、昨年から市民の激しい抗議活動が続いていた。議会で否決されたことにより、香港が北京に公式に反旗を翻した形となった。中国共産党機関紙は、「香港のパンドラの箱が開けられ、その未来を破壊する悪魔が放たれた」と不吉な言葉で警告している。

◆28対8で否決、親中派議員は投票をボイコット
 次期行政長官選挙は2017年に予定されている。現行制度では、中央政府の息がかかった1200人の“選挙委員会”が多数決で選んだ行政長官が送り込まれる間接選挙の形を取っている。中国共産党は「香港の民主化を進めるため」だとして、2017年選挙から2、3人の候補者から市民の直接選挙で選ぶ改革案を提示していた。しかし、候補者はあくまで“選挙委員会“が指名する者に限られることから、「偽りの普通選挙だ」と若者層を中心に香港市民の強い反発を受けた。これが昨年来の「雨傘運動」と呼ばれる大規模な民主化運動に発展している。

 改革案の可決には3分の2の賛成が必要だったが、反対28人、賛成 8人で否決された。香港議会の定数は70人だが、可決が困難と見た親中派の議員たちが採決前に議場を後にし、投票をボイコットした。これについては、民主派議員と市民から「責任逃れだ」という批判が出ているほか、北京にある人民大学の学者からも「議場に残って投票した方が政治的な影響力を与えられたはずだ」と、戦略ミスを指摘する声が上がっている(ウォール・ストリート・ジャーナル紙=WSJ)。

 民主派議員のアラン・レオン氏は「我々は今日、清き一票を偽りの普通選挙を拒否するために使った。本当の選択権が欲しいという香港市民のメッセージを北京に送る手助けになったと思う」と記者団に語った(WSJ)。民主化運動のリーダーの一人、マーティン・リー氏も「偽りの選挙権を拒否した我々の勝利だ」と勝利宣言した(英紙ガーディアン)。

◆共産党機関紙「香港の未来を破壊する悪魔が放たれた」
 一方、学生運動の象徴的存在になっている18歳のジョシュア・ウォン氏は、「まだ祝福すべき時ではない。僕たちはまだ勝ち取ろうと戦っているものを手に入れたわけではない」と慎重だ。それというのも、改革案が否決されたということは、制度の上では現行の間接選挙が続くという事でしかないからだ。中国共産党機関紙、人民日報英語版の『グローバル・タイムズ』は「北京の8月31日の決定によれば、改革案が通過しなければ現在の選挙制度が維持され、行政長官は1200人の選挙委員会によって選ばれる」と、社説で中央政府の見解を代弁している。

 この「香港の民主化プロセスの悲しい瞬間」と題した『グローバル・タイムズ』の社説は、香港の決定を厳しく非難している。まず、反対票を投じた議員たちを直接選挙への「あらゆる望みを絶った」と批判。「今日は鼻が高いかもしれないが、彼らは歴史の審判にあい、最終的には責任を負うだろう。歴史は彼らが今日行ったことを認めはしない」と脅している。

 さらに同紙は、今後もデモを組織し続ければ、香港は行き詰まり、死活問題に結びつくと警告。「香港の暗い未来が見えてくる」と記す。そして「香港のパンドラの箱が開けられ、その未来を破壊する様々な悪魔が放たれたことが心配だ。この街がこれからも金融とファッションの中心であってほしいなら、香港を愛する人々は、箱を固く閉ざさなければならない」と、不吉な言葉を連ねている。香港紙『サウス・チャイナ・モーニングポスト(SCMP)』も、「中国国営紙が香港の“混乱”を予測」とこの社説を紹介している。

◆識者は「争いは今後も続く」
 香港の民主化運動はこれで一段落となるのだろうか。「雨傘運動」に関するブログを運営している香港の政治学者、ビクトリア・ホイ氏は「水面下で沸騰しているものはまだたくさんある。何が次の爆弾に火をつけるか予測するのは難しいが、香港人のフラストレーションが再びいつ爆発するか分からない」と、ガーディアンに述べている。

 香港の民主派の政治家たちは今後、北京の譲歩を引き出そうと努力すると見られるが、ホイ氏は共産党側にはそれに応える意志はないと見ている。譲歩の用意があるのなら、採決前にとっくにやっていたはずだからだという。香港大学のマイケル・デイビス教授(法学)も、北京政府が何らかの教訓を得て反省することを期待しつつも、「いつ、それが実現するか?楽観視はできない」と述べている。

 中国国務院(内閣に相当)は、「香港は世論の主流から逸脱した」とSCMPに述べ、同外務省の報道官も「我々が見たくなかった結果だ」と18日の定例記者会見で語った。また、梁振英(りょう・しんえい)現行政長官は、採決の結果に「深い失望」を表明。残る任期は選挙問題には触れず、経済と市民生活に直結することに集中するとコメントした(WSJ)。この香港当局の一種投げやりな態度に、デイビス教授は「トップたちが今後何もしなければ、この香港の危機と争いの問題は続くと思う」と懸念している(ガーディアン)。

(Newsphere編集部)

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