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ロシア、北方領土での軍事施設建設を加速へ 安倍首相のウクライナ訪問への返礼 海外指摘

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ロシア、北方領土での軍事施設建設を加速へ 安倍首相のウクライナ訪問への返礼 海外指摘

 ロシアのショイグ国防相は8日、北方領土を含む千島列島(クリル諸島)での軍事施設建設を、これまでの倍の速度で進めるよう指示した。先ごろ、安倍首相が日本の総理大臣として初めてウクライナを訪問し、同国への支援を表明したことを踏まえ、英ガーディアン紙、米ウェブ誌『ザ・ディプロマット』はこれを日本に対するけん制と捉えた。

◆日ロ関係は接近しつつあったが、ウクライナ問題で一変
 日本と旧ソビエト連邦、ロシアとの間には、北方領土問題が常に存在してきた。ガーディアン紙によると、安倍首相は2012年の就任以来、ロシアと、以前よりも親密な関係を築こうと試み、いくらか成功を収めた。しかしそれも、昨年、ロシアがクリミアを併合したことを受けて、日本がG7の他の国とともに対ロシア制裁を行い、ウクライナへの支援を拡大させるまでのことだった、としている。

 2014年にはプーチン大統領が、日本訪問の意欲を表明したものの、日本が一部の欧米諸国の対ロシア制裁に加わっている状況下で、訪問は保留にされた、とロシアの通信社スプートニクは伝える。

 6月7日と8日、ドイツでG7サミットが開催されたが、ウクライナ・ロシア情勢はその重要議題の一つだった。また安倍首相はこれに先立つ5日より、公式賓客としてウクライナを訪れていた。ウクライナのポロシェンコ大統領は、安倍首相の訪問には、非常に大きな「歴史的、象徴的な重要性」があると語ったそうだ(ガーディアン紙)。安倍首相は、「日本はロシアに対する制裁を引き続き行っており、ロシアに対して、建設的な役割を果たすよう、対話と圧力を通じて強く促している」と語ったという(同)。また日本はウクライナに対し、約18.4億ドル(約2265億円)の経済支援を表明している。

◆ロシアの発言は「日本に対するジャブ」
 こうした状況から、ロシアは日本に対してフラストレーションを強めている、とガーディアン紙、ザ・ディプロマットは判断したようだ。

 ロシアのセルゲイ・ショイグ国防相は8日、ロシア極東のウラジオストクを訪問中に、争われている千島列島における軍事施設、民間施設の建設を加速するよう命じた、とザ・ディプロマットは報じた。

 ガーディアン紙によると、ショイグ国防相の発言は、安倍首相のウクライナ訪問に対する、ロシア政府のいら立ちを伝えることを意図したものだ、と専門家らが語ったという。また、ザ・ディプロマットは、ロシア政府による「日本政府へのジャブ」だと語っている。この発表が、領有権争いをしている日本をいら立たせることは請け合いだと語り、この発表と、安倍首相が最近、ウクライナを訪問したことを結びつけて考えるのは難しくない、としている。

 ロシア政府が日本政府をいら立たせるために、北方領土を用いるのは、これが初めてではない、とザ・ディプロマットは語る。日本が欧米諸国とともに対ロシア制裁を行うようになったことを受けて、昨年8月、ロシアは千島列島で軍事演習を行った、と伝える。

 こういった観点は、今回、日本のメディアの報道には見られないようだ。ロシアが北方領土の択捉島、国後島に新たな軍事拠点を建設する計画であることは、今年春にはすでに報じられていた(日テレNEWS24ウェブサイト・2月28日付。朝日新聞デジタル4月18日付)。毎日新聞(6月9日付)、NHK NEWS WEB(6月10日付)は、ロシアは軍事戦略上、極東、北方領土を重視しており、工事を加速化させるのはそのためとの観点だ。ロシアにとって極東が戦略的に重要な理由として、毎日新聞はアメリカとの軍事的緊張を挙げている。

 ロシア政府の行動計画では、今後10年間で、千島列島の開発に総計約12億ドル(約1472億円)を費やす予定であるという(スプートニク)。

◆今後、日本とロシアの対話は継続できるのか
 日本は他のG7各国と歩調を合わせ対ロシア制裁に乗り出したことで、北方領土問題の解決からやむを得ず遠のいた格好だ。しかしガーディアン紙は逆説的に、日本はG7の対ロシア制裁を支持することで、今後ロシアと領土問題の交渉を進めることに対して、国際社会からの理解を得られることを期待している、と語る。伝えられているところによると、フランスとドイツは、ロシアとの交渉を是認しているが、アメリカは難色を示しているという。

 安倍首相はプーチン大統領との対話を諦めていない。G7サミット閉幕後の記者会見で、「北方領土の問題を前に進めるため、プーチン大統領の訪日を本年の適切な時期に実現したい」と語っている。このことについて日ロ関係の専門家である、テンプル大学ジャパンキャンパスのジェームズ・ブラウン准教授は、ガーディアン紙で、「安倍首相は進展を生み出すことを望んでいると言っているが、同時に、日本は、ウクライナで何かが勃発している間は、プーチン大統領を招くという危険を冒したがっていない」と、事態の成り行きを推測している。

 来年のG7サミットは日本で開催される。その時点でも、ロシアを交えたG8の復活はまだ無理だろうとの見方が有力である、とザ・ディプロマットは伝える。

 北方領土問題は、まだしばらくはロシアのペースで進むことになりそうだ。

(Newsphere編集部)

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