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米国、中国の南シナ海埋め立てに「NO」 大統領選への影響にも海外紙注目

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米国、中国の南シナ海埋め立てに「NO」 大統領選への影響にも海外紙注目

 南シナ海で埋め立てを続ける中国に対して、行動でノーを示すべき、との機運が米国で高まっているようだ。米軍は南シナ海に偵察機と艦艇を新たに配備して、監視活動を強化している。また、埋め立てた人工島の周囲も領海だという中国の主張を行動で否定するべく、カーター米国防長官は先ごろ、人工島周囲12カイリ内への海軍艦艇派遣などの検討を開始させた。そんな中、米国防省は、南沙(スプラトリー)諸島での米海軍哨戒機による偵察活動を、CNNに独占取材させた。

◆CNNのクルーが米軍哨戒機に同乗、南シナ海上空を偵察飛行
 偵察飛行は、対潜哨戒機「P-8Aポセイドン」によるもので、中国が埋め立てと大規模な建設活動を進めている3つの人工島の監視が目的だった。米国防省は、中国の領有権主張を米国が認めていないことをはっきりさせるために偵察飛行を実施している、とCNNは伝えた。

 偵察飛行の様子を、CNNは臨場感をもって伝えている。飛行中、中国側から8回にわたって、退去するよう警告を受けたという。そのたびに米国側は、国際空域を飛行中であると応じたという。偵察機は、最も低いところで1万5千フィート(約4572メートル)の高度を飛行したそうだ。今回、人工島の直上もしくは周囲12カイリ以内を通過したかどうかは、記事から読み取ることはできなかった。

 CNNを引用して報じたロイターは、最近、中国がフィリピン軍航空機に対しても、南沙諸島周辺から退去するよう警告したことを併せて伝えている。中国が人工島上空に、軍事的な進入禁止空域の設置を強行しようとしていることが示唆される、としている。

◆政府・国防省は国民へのアピールが必要と判断したか
 CNNによると、今回、国防省がメディアによる取材を初めて認めた背景には、人工島が投げかける問題や米国の対応強化について、世論を喚起する狙いがあったそうだ。

 国防省は、偵察機から撮影した中国の建設作業現場の映像や、米偵察機に対する警告音声を一般公開したが、これも初めてのことだという(動画はCNNのサイトで見ることができる)。3000メートル滑走路や、早期警戒レーダー基地などの建設が進んでいることを米国民に目撃させて、対処が必要だと国民に納得させようとしているのかもしれない。CNNは、人工島のことを「中国の不沈空母」と呼ぶ者もいる、と伝えている。

 ケリー米国務長官は、先週北京を訪れ、中国の習近平国家主席や王毅外相らと会談し、中国側に埋め立ての自重を求めた。しかし、王毅外相が「中国が自らの主権や領土を守る意志は、岩のように固い」「南沙諸島での建設については、中国の主権の範囲内だ」(NHK)と語ったように、効果はなかったようだ。

 日本経済新聞(21日)は、米側は、中国指導部との会談が、南シナ海の緊張緩和にまったく反映されていない事態を重く受け止めている、と報じた。国民へのアピールの裏には、行動の必要が差し迫っている、という判断があるのかもしれない。

◆議会でも、アメリカの積極的関与を求める声が上がっている
 国民の代表である米議会でも、行動の必要を認める声は高まっているようだ。フィナンシャル・タイムズ(FT)紙は、人工島周辺12カイリ内を米軍艦、航空機が航行するというプランについて、米上院外交委員会の民主党筆頭理事ベン・カーディン上院議員が賛意を示した、と報じている。

 FT紙によると、東南アジア諸国は数年来、米国がもっとはっきりした役割を果たすよう催促していたという。オバマ大統領は2012年にアジアへの「軸足転換」を打ち出したが、東南アジアの多くの国、特にフィリピンは、「軸足転換」は、言うばかりで行動が追いついていない、と不平を語っているという。

 カーディン氏は、「実際、この種の挑発的な行動に対して、私たちは記者発表をする以外、何ら反応を見せていません」「私たちはもっと行動したいと思います。そして、わが国の同盟国には、これらの挑発的行動に対して、私たちがまったくの味方だと知ってほしいのです」と語ったという。

 同紙によると、2012年に、中国の海洋監視船とフィリピン海軍の艦船が、南シナ海・中沙諸島のスカボロー礁で1ヶ月以上もにらみ合いを続けた。その際、米国は、その海域に海軍を派遣しなかった。このため、中国は、もっと独断的な姿勢を取っても問題ないと判断したのではないか。そのような批判があるという。

◆大統領選挙でも南シナ海問題が争点の一つになる?
 さらに、FT紙は、南シナ海問題は、アメリカ大統領選挙にも入り込んでいる、と伝える。共和党の指名候補争いに名乗りを上げているマルコ・ルビオ上院議員は先週、アメリカは南シナ海などで、中国に対して、よりはっきりした姿勢を取る必要がある、と語ったという。南シナ海問題を大統領選挙の争点に持ち込んだのは、少なくとも国民の一部からは、賛同が得られると見越してのことだろう。

 CNNでは、米中央情報局(CIA)元副長官マイケル・モレル氏が、この先、米国と中国がどのように対峙していくかは、次期大統領にとって重大な問題だ、と語っている。大統領選挙への動きが始まって、オバマ大統領の影はだんだんと薄くなっていくようだ。

(Newsphere編集部)

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