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ネパール地震 懸念される“インビジブル”な人々の安否 「把握不可能に近い」と現地NGO

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ネパール地震 懸念される“インビジブル”な人々の安否 「把握不可能に近い」と現地NGO

 ネパール中部で発生した地震から4日目となった28日、同国政府は死者が5064人に上ったと発表した。コイララ首相は、死者数は2倍の1万人を超える可能性もあると述べている(ロイター)。首都カトマンズでは被災者の捜索活動が難航。震源近くの山岳地帯では多くの村が孤立し、今だに被害状況すら把握しきれていない。また、世界文化遺産のカトマンズ盆地の歴史的建造物の被害も深刻だ。観光地のカトマンズとバグタプルのダルバール広場(王宮広場)では、主な寺院が全壊した。ウォール・ストリート・ジャーナル紙(WSJ)、ニューヨーク・タイムズ紙(NYT)などが、これまでの被害を現地ルポを交えて報じている。

◆日本の救助チームも捜索活動を開始
 国連によれば、今回のM7.8の地震で、ネパールの総人口の3割に当たる約800万人が被災した。主要海外メディアは、「この80年で最悪の地震」と、同国で少なくとも1万人以上の死者を出した1935年のM8.1の地震に匹敵すると報じている。国際社会もこの未曾有の大地震に素早く対応し、発生の2日後の27日にはインド、中国、パキスタン、アメリカ、イスラエル、オランダの救援隊が現地入りし、イギリスやフィンランドも続いた(英フィナンシャル・タイムズ紙=FT)。

 空港の混雑などにより到着が遅れていた70人規模の日本の国際緊急援助隊も28日に現地入りし、カトマンズなどで災害救助犬を使った行方不明者の捜索活動などを始めた。外務省は、29日未明に出発した自衛隊員約20人による第一陣に加え、追加でより大規模なチームを派遣するとしている。また、10億円の緊急援助の実施も発表した(WSJ)。

 アメリカは2機の輸送機で130人の人員と物資を派遣。既に地震前から合同訓練のためネパールに滞在していた米陸軍特殊部隊の26人も急遽、孤立したエベレスト登山客の救出に当たった。その活躍により数十人が下山することができたが、外国人登山客ら19人の死亡が確認され、まだ多くの行方不明者がいるという。また、インド防衛省高官のTwitterによれば、インド空軍は山岳地帯で救援物資の投下作戦を進めており、これまでに孤立した村に取り残された100人以上を救助したという(ワシントン・ポスト紙=WP)。

◆震源地帯では壊滅状態の山村が孤立
 首都カトマンズでは、警察発表によれば900人以上の死亡が確認された。ネパール最大のヒンズー教寺院、パシュパティナートでは、地震発生以来、これまでにひっきりなしに286回の葬儀が行われたという。それでも到底間に合わず、河原などで勝手に火葬をする人々も多いと寺院関係者は言う(WP)。FTの現地報道などによると、カトマンズの市街地ではまだ多くの人々が瓦礫に下に閉じ込められていると見られ、地元警察などによる捜索活動が続いている。

 震源に近い首都周辺の山岳地帯の状況も深刻だ。尾根伝いに小さな村が点在しているが、もともと道路から1日以上も歩くような所にある村も多く、さらに地震であちこちで発生している土砂崩れが行く手を阻んでいるという。今だに被害状況すら把握できていない状況で、国際NGO『マーシー・コープス』の現地代表、ジェフリー・シャノン氏は、「現時点で我々のスタッフを含む全員から耳にするのは、とにかく『分からない』という言葉だ」と嘆く。「どの村が最も助けを必要としているのか、どれくらい負傷者がいるのか、把握するのは不可能に近い」という。

「鉄筋コンクリートの建物以外はほとんどが崩壊している」「生死を分けたのは運だけだ」「1300軒あった村が全滅した」など、生存者や軍関係者の証言による山岳地帯の様子は悲惨だ(NYT、FT)。シャノン氏によれば、こうした村々の住民はもともと中央政府から切り離され、正式な市民権すら持っていない「インビジブル」な人々で、捜索や身元の確認をより困難にしているという(NYT)。

 ◆多くの世界遺産も倒壊
 ネパールには仏教やヒンズー教の聖地が多い。それらの歴史的建造物の被害も深刻だ。ユネスコの調べでは、世界遺産だけでも12ヶ所が全壊したという。特にネパール観光の目玉になっているカトマンズのダルバール広場(王宮広場)の寺院はほぼ全壊。ランドマークのダルハラ塔も倒壊した。ダルバール広場は、カトマンズだけでなくカトマンズ渓谷内の3つの主要都市にそれぞれあり、その一つのバグタプルでも4つの寺院が全壊した。

 バグタプルのダルバール広場の様子を、WPは「ネパールの王によって建てられた寺院が崩壊し、象や蓮の花をかたどったプライスレスな石像のかけらだけが残った」と記す。連日多くの市民が広場に集まり、瓦礫を手に取って頬ずりをしたり、黙祷を捧げているという。同広場でカフェを営む男性は「何百年もの歴史が失われた。この地震は、ネパールの観光産業の右腕と左腕を切り落としてしまった」と、WPに語っている。

 同紙は、「世界で最も貧しい国の一つであるネパールは、長年エベレスト登山と歴史遺産を訪れる観光客の外貨に依存してきた」と記す。ネパール観光省によれば、2013年には80万人の外国人観光客が訪れている。APによれば、この地震による被害の国全体の再建費用は、GDPの20%に当たる50億ドルに上るという試算も出ている。

(Newsphere編集部)

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