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ドローン積極活用で“戦争変えた”オバマ大統領、人質2人巻き添え死で謝罪

  • カテゴリー:国際
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ドローン積極活用で“戦争変えた”オバマ大統領、人質2人巻き添え死で謝罪

 CIA(米中央情報局)が23日、1月にパキスタン北西部で行ったアルカイダ関連施設へのドローン攻撃により、米国人とイタリア人の人質の男性2人が死亡したと発表した。アメリカのドローン攻撃に巻き込まれて西側の一般市民が死亡したのは初めてだという。米メディアのほとんどがトップ扱いで報じている。

◆人質の存在に気づかず攻撃
 死亡が確認されたのは、米国人技術者のウォーレン・ワインスタイン氏(73)と、イタリア人エイドワーカーのジョバンニ・ロポルト氏(39)。ワインスタイン氏は2011年にパキスタン東部のラホールの自宅から、ロポルト氏はアフガニスタン国境近くの施設から2012年に武装勢力に拉致され、行方不明になっていた。

 アメリカ政府は、2人が「どこでどのように死亡したか」という詳細は明らかにしていない。ワシントン・ポスト紙(WP)がパキスタン情報機関関係者の匿名情報として伝えているところによると、2人は今年1月15日のアフガニスタン国境近くのトライバルエリア(部族支配地域)にあるシャワール渓谷のアルカイダ施設への攻撃に巻き添まれたようだ。CIA・米政府は、2人の所在も一緒にいることも把握していなかった。

 また、複数の米メディア報道によれば、この攻撃か直近の別のドローン攻撃で、米国籍のアルカイダ幹部、アーメド・ファルーク氏も死亡した。同氏は今回の政府発表まではほぼ無名の人物で、専門家の間でも米国籍(パキスタンとの二重国籍)を持っていることは知られていなかったという(ウォール・ストリート・ジャーナル紙=WSJ )。米超党派シンクタンク、外交問題評議会でドローン攻撃の研究をしているミカ・ゼンコー氏によれば、これまでにドローン攻撃で殺害されたアメリカ人は合計8人に上る。ワインスタイン氏以外の人物はアルカイダの構成員だという(ニューヨーク・タイムズ紙=NYT)。

◆米ドローン攻撃で3852人が死亡、うち476人が民間人という説も
 オバマ大統領は、23日の記者会見で「大統領として、最高指揮官として、私は誤ってウォーレンとジョバンニの命を奪った作戦を含む、全ての対テロ作戦の責任を負っている」と述べ、「起きてしまったことを深く遺憾に思う。アメリカ政府を代表して、お二人の家族に最も深い謝意を表したい」と謝罪した。

 各メディアは、オバマ大統領は就任以来、テロ組織へのドローン攻撃を積極的に行ってきたと指摘する。NYTは「オバマは戦争を自分のやり方に変えた。パキスタンでのドローン攻撃をエスカレートさせ、それをイエメンとソマリアにも拡大した」と記す。同紙によれば、オバマ大統領はしばしば「我々を殺そうとしている連中を殺そう」と側近たちに語り、ドローン攻撃を「アメリカ人の命を危険にさらさず、旧来の戦争のように多くの血を流さずに危険なテロリストを一度に何人も排除できるアイデア」だと気に入っていたという。

 世論調査によれば、アメリカ国民の3分の2も、テロ組織へのドローン攻撃に賛成しているという。しかし、パキスタンを始めとするイスラム社会では、多くの市民を巻き込んでいるとして、強く非難されていると各紙は指摘する。外交問題評議会のゼンコー氏によれば、アメリカはこれまでに522回のドローン攻撃を行い、3852人を殺害、そのうちの476人が無実の一般市民だという。

◆米識者「今回の事件すら影響しない」
 ワインスタイン氏らが巻き込まれたアルカイダ施設への攻撃は、特定の人物を狙ったものではなく、そこに複数のアルカイダ関連の武装勢力がいると判断して行う「識別特性爆撃(signature strikes)」だったと、米政府は説明している(WSJ)。また、オバマ大統領は、作戦は「完全にガイドラインに則っていた」と主張した。ただし、「アメリカが他の多くの国と違うのは、そして、我々が特に優れているのは、欠点に真正面から向き合い、失敗から学ぶことができるということだ」と述べ、ガイドラインの見直しも示唆した(WP)。

 これについて、米下院情報委員会を率いるアダム・シフ下院議員(民主党)は、「アルカイダに関与している事は分かっているが、正確な身元までは分からない人物」に対するドローン攻撃は、大きな懸念材料であり検討課題であるとしている(WSJ)。同紙はまた、ドローン攻撃の遂行にあたってはCIAが絶大な権限を持っており、今回の作戦でもオバマ大統領の事前の承認はなかったとしている。

 外交問題評議会のゼンコー氏はこうした状況を踏まえ、ドローン攻撃を事前に検証する委員会を設立するべきだと主張する。しかし、一方で、ドローン攻撃が米議会と国民の強い支持を受けている現状では「私は今回の事件ですら、影響しないと思う」とNYTに答えている。

 CIA・米軍のドローンの操縦は、アメリカ本土・ネバダ州の作戦室でリアルタムの映像を通じて行っているという。NYTは今回の件を受け、「ネバダのオペレーターが遠くはなれたトライバルエリアでミサイルを放つ時、しばしば自分が誰を殺そうとしているか分からないまま、不完全なカンに頼っていることが明らかになってきた」と批判している。

(Newsphere編集部)

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