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フランスからイスラエルへの移民が増加 反ユダヤ主義への危機感、経済不安が背景に

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フランスからイスラエルへの移民が増加 反ユダヤ主義への危機感、経済不安が背景に

 今月パリで起きた風刺週刊誌「シャルリ・エブド」社襲撃事件、ユダヤ人向け食品店での人質事件とで、16名が犠牲になった。前者のテロは、イエメンのアルカイダ(AQAP)の関与が判明している。

 報道では主にイスラム教に焦点が当たるが、フランスでは、2014年前半だけで、ユダヤ人を排斥しようとする事件が、2013年に比べ2倍に増えている。危機感から、イスラエルへの移民を考えるユダヤ人が増えているという。海外紙がこの動きを報じている。

◆イスラエルへの移民急増、ネタニヤフ首相も後押し
 フランスの人口6600万人のうち、ユダヤ人口は58万人とされる。イスラエル、米国に次いで多い。

 英テレグラフ紙によると、今年のイスラエルへの移民は約15,000人と推定され、過去最高だ。過去20年間の移民はのべ47,596人だが、2013年は3,293人、2014年は7,086人と急増している。パリのユダヤ・エジェンシー広報担当者は、「1日に400件の相談がある、しかしあのテロ事件のあとは、今日(※取材日)の午前中だけで600件の相談があった」と答えたという。反ユダヤ事件と、不況の影響も大きいようだ。

 イスラエルへの移民を奨励するかのように、パリでのテロ抗議する行進に参加したネタニヤフ首相は「ユダヤ人はどこでも安全が保障された国で住む権利がある。しかし、祖国はただひとつだ。そこではいつでも諸手を挙げて歓迎する。イスラエルは我々の本当の家である」と述べた。

◆ ユダヤ人口比が減少、移民受け入れ推進へ
 イスラエルは移民受け入れを歓迎している。ユダヤ暦5774年(2013-2014年の1年間)は、世界から24,800人が移民した。その前年は19,350人であり、増えている(アルゼンチンのイトンガドル・デジタル紙)。

 背景には人口問題対策の意図がある。現在のイスラエルの人口は590万人だ。2007年の統計によると、ユダヤ人が81%、パレスチナ人が19%の構成になっている。しかし、2000年の出生者内訳は、ユダヤ人が67%、パレスチナ人が37%だった。将来パレスチナ人が急増することになる。特にエルサレムでは、ユダヤ人とパレスチナ人の比率は70%:30%であるが、15才未満の少年では同60%:40%になる。2020年には同55%:45%になると予測されている(ムンド・アラベ情報紙)。

 イスラエルに移民した際に帰還法が適用されるユダヤ人は、世界に2300万人いるとされる。その中には、父がユダヤ人の2世や3世も含まれており、ユダヤ教徒でない者もいると言われている。ユダヤ人移民の一番の問題は言語であり、ヘブライ語の修得が必要とされる。政府は無料でヘブライ語の修得コースを提供している(ムンド・アラベ情報紙)。

◆ 移民を支える経済的負担も大きい?
 メキシコのエンラセフディオ・ユダヤ情報紙は、フランスのユダヤ人の声を掲載している。

 2013年にイスラエルへ移住したステファン・ファリミ氏は、「フランス政府は長年怠慢で、ムスリムによるユダヤ人排斥運動が増加しているにも拘わらず、ユダヤ人を危険に晒して来た」と述べ、「最も危険なのは極右翼ではない、ムスリムだ」と付け加えている。

 生物学を研究しているメンデル・フランケル氏は、「問題を放棄してイスラエルに行くのは容易だ。しかし、フランスで生活を続けたいユダヤ人もいる。我々を支援してくれるもっと寛大なフランス社会が必要だ」と述べた

 一度イスラエルに移住して、またドイツに戻ったバリー・バルジュー氏は、イスラエルで事業を始めたが、いつもお客と問題を抱え落ち着いて生活できなかったことが帰国の理由だと述べた。

 また、イスラエルでは給与の低い割に生活費が高いという理由で、イスラエルを去る人も増えているとも言われている(ロシア・トゥデイ)。

 イスラエルは可能性を秘めた地であるというイメージを外国で与えている。しかし実際は、政府の軍事的・経済的負担が財政的困窮に繋がっているとされ、移民受け入れも政府の重荷になっている、と指摘される(ムンド・アラベ情報紙)。

(Newsphere編集部)

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