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EU、パレスチナ国家承認の動き加速 対イスラエル和平交渉の後押しなるか?

  • カテゴリー:国際
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EU、パレスチナ国家承認の動き加速 対イスラエル和平交渉の後押しなるか?

 欧州諸国で、パレスチナを国家として承認する動きが相次いでいる。10月22日には、スウェーデン政府が「パレスチナ国家」を承認した。スペインのエル•パイス紙によると、パレスチナ国家を承認する国は、スウェーデンが135国目だ。

 さらに英国下院、アイルランド上院、スペイン下院(賛成319、反対2、棄権1)、フランス下院(賛成339、反対151)で、パレスチナを国家として承認する動議がそれぞれ可決された。ポルトガルのオブセルバドール紙によると、同国も近く議会に同じく動議をかける予定だという。

 和平交渉の頓挫を受け、イスラエルへ圧力をかける意図があるようだ。今後この動きがEU全体に広まるかが注目される。

◆パレスチナ国家承認で和平交渉進展を
 ファビウス仏外相は、この先2年間、イスラエル・パレスチナ間で和平交渉に解決をみない場合は、フランス政府はパレスチナを国家として承認することを辞さない、と示唆したという。

 一方、日本や米国はパレスチナをまだ国家として承認していない。特に米国は和平交渉の仲介役であり、イスラエルが強く反発する「パレスチナ国家」は承認できない。日本も同様の姿勢だが、駐日パレスチナ「大使」という呼称を用いるなど、国家級の扱いだ。

 EU28ヶ国中、パレスチナ国家を承認している国は、マルタ、ハンガリー、ポーランド、ブルガリア、ルーマニア、キプロスだ(承認はEU加盟前)。EUとしてパレスチナ国家承認を進めようという動きもある。新たにEU外交安全保障上級代表となったフェデリカ・モゲリニ氏は、5年の任期中に実現したい、と述べた(スペインのエル•パイス紙)。

 EU委員会はバローゾ前委員長の時から、パレスチナを国家として承認する姿勢を維持していた。ユンケル新委員長もこの案に賛成している。

◆壁はドイツの説得
 しかし難題は、ドイツ、オランダ、デンマークを説得することである(スペインのエル•パイス紙)。特にドイツはホロコーストの歴史もあり、イスラエルとは非常にセンシティブな関係にある。メルケル独首相は、イスラエルには常に最大限の配慮を払っている。

 ドイツは、米国が進めるイスラエル・パレスチナの和平交渉を全面的に支持する姿勢を表明している(スペインのエル•ムンド紙)。このドイツの姿勢を、モゲリニ氏が説得して変えるのは難しい。同氏はイタリア外相に就任してからわずか6ヶ月目でEU外交代表に就いており、キャリアと実力に対し、東欧諸国などから強い懸念があったことも事実だ。

◆ パレスチナを支援する135国の重み
 イスラエルとパレスチナの和平協議は全く伸展が見られず、中断したままである。EU諸国がパレスチナ国家承認を進めるのは、パレスチナが経済や支援金などでイスラエルに大きく依存している状態を脱し、二国間の対等な関係において和平協議を展開させようとする考えから生まれたものといえる。

 2012年、国連でパレスチナは「オブザーバー国家」として承認された。「国家」としての扱いは受けられるが、正式加盟国ではない。国連正式加盟の動きが生まれても、米国が安全保障理事会で拒否権を行使する可能性が高い。しかし、既に135ヶ国がパレスチナを国家として承認している現状から、今後この案がパレスチナにとって有利な方向に進む可能性は充分にある。

◆ ユダヤ人国家の法制化
 一方、こうした状況に対し、イスラエルのネタニヤフ首相は11月23日、同国を「ユダヤ人の祖国(ナショナルホームランド)」と定義し直す基本法案を閣議決定した(賛成14、反対6)。イスラエル人口820万人のうち190万人はアラブ人であり、彼等の言語、文化、教育面などをめぐり微妙な問題に発展する可能性がある。

 首相は議会に提出する意向を示していたが、中道派勢力が反発。ラビド財務相とリブニ法相が更迭された。政権の混乱から、8日夜に議会は解散し、3月17日に総選挙実施が決まった。

 パレスチナリブレ(デジタル版)は、ネタニヤフ首相率いる右派リクードが、また最多議席を獲得する可能性があると予測している。しかし他党との連立内閣になることはほぼ確実なため、議席数と連立相手が注目される。

 同首相は、パレスチナがイスラエルをユダヤ国家として承認しない限り、パレスチナを国家として承認する意向はない、としている。

(Newsphere編集部)

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