習近平、役人の麻雀禁止を指示か…「非現実的なプライベートへの介入」と揶揄の声も

 7月の「欧州麻雀選手権大会」で、中国代表チームは37位(51チーム中)に終わった(南方週末)。麻雀が中国発祥のゲームであるにもかかわらず、だ。

 背景のひとつに、習近平国家主席が主導する緊縮政策で、役人の麻雀が禁じられていることもありそうだ。海外メディアは一連の政策を報道している。

◆習近平主席の緊縮政策
 中国・人民日報は28日、党の役人が地方へ出向き、「仕事ではなく麻雀、ポーカーなどの娯楽に興じ、公金を『研究』の名目で行楽地への旅行に当てている」と厳しく批判した(AFP)。習近平主席は、緊縮政策によって、このような党の堕落・崩壊と戦い、党の立て直し、行政の効率化を図ろうとしているとも報じているという。

 ウォール・ストリート・ジャーナル紙は、同主席の「中国共産党幹部は熱心に政治的生活を送るべき」との言葉を引用、その意図を紹介している。一連の政策の中に、役人の麻雀、ポーカーなど娯楽の禁止も含まれているという。

 公金の高級会食への利用、公用車の私的流用などが取り締まられているとも伝えられており、「5つ星ホテルから北京オペラまで」すべてが贅沢として取り締まり対象になっている、と報じられている(フィナンシャル・タイムズ紙)。

◆緊縮政策の効果は
 では、この政策の効果はあがっているのだろうか。海外メディアは、負の影響の方に着目している。

 英フィナンシャル・タイムズ紙は、通販サイトを利用した毛ガニの販売が打撃を受けているとしている。役人が公金で楽しんでいると思われるのを恐れて買い控えをしているためだ。航空会社はファーストクラスを取りやめ、ホテルは5つ星からグレードを落とすよう依頼、近年の風潮に歩調を合わせているとのことである。

 ウォール・ストリート・ジャーナル紙によると、こうした緊縮政策に対し、中国のソーシャルメディアでは「非現実的で、プライベートへの介入だ」と揶揄する声もあるという。ウェイボーでも「マージャンは中国文化の精髄だ。党員にはどんな余暇が残っているのか」という書き込みもある。AFPも、贅沢取り締まりキャンペーンは、高級ホテル・レストランなどの売り上げ減につながるとの反対意見を掲載している。

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Text by NewSphere 編集部