“ドラえもんは中国侵略の道具” 地元紙のトンデモ報道に、中国人も呆れる

 中国四川省・成都で開催された『ドラえもんのひみつ道具100展』について、「成都日報」を初めとする地元紙3紙が、「日本の政治的陰謀」と伝えたことが大きな反響を呼んでいる。

【ドラえもんが侵略者?】
 『ドラえもんのひみつ道具100展』は観光促進の一環として、100体以上のドラえもんが展示される。既に香港、上海、北京などの各都市を巡り、多くの訪問者を集めた。

 ニューヨーク・タイムズ紙(NYT)によると、このイベントについて成都日報は「日本がドラえもんを文化的侵略の道具として使っている」と報じ、「日本はドラえもんのテーマである”尊重と友情”を繰り返しアピールすることで、侵略の歴史を煙に巻こうとしている」と伝えているという。

 また成都商報は、ドラえもんをアニメ大使として任命したのが高村元外務大臣であることに触れ、「日本の政治的動機は疑いの余地がない」と述べている。

 さらに成都晚報は、日本の戦争犯罪を忘れないこと、その被害者は3500万人(中国政府発表)であることを読者に促しているとのことだ。

【党の機関誌「過剰反応」】
 中国共産党の公式機関紙である人民日報は、この記事について「過剰反応」と報じている。ドラえもんが中国に悪影響を及ぼす、という考えは被害妄想に過ぎるし、帝国侵略のイデオロギーと結びつけるのも突飛だ、と同紙は言う。

 さらに、中国がドラえもんから学ぶべきは、日本政府によるプロモーションの巧みさだと指摘する。日本政府はドラえもんの人気が持つ力を十分に意識しており、2020年オリンピック招致活動に活かすなど国のグローバルな発展に役立てている。たったひとつのキャラクターが、全く違う文化背景を持つ国の関心を引くことができるということだ。中国は、文化の豊かさでは負けていないのに、それをうまくアピールする術がもうひとつ足りない、と同紙は述べている。

【海外読者の反応は】
 ニューヨーク・タイムズ紙によると、一部では「子供にドラえもんを見せるのをやめた」という反応もあるという。しかしやはり多くの中国人は「いったいドラえもんの何が悪いのか」という風潮であるようだ。そうした向きからは「なんでもかんでも政治のネタにするな」といった批判から、「自分はドラえもん好きだから、党の裏切り者ってことか」といった皮肉まで飛んでいるという。

 『Kotaku』によると、中国のネットでは「これを書いた記者は北朝鮮に移住すればいい。まさに望み通りの天国のはず」なんて揶揄も飛び交っているという。また同サイトのコメント欄には以下のような声が寄せられている。

・ドラえもんが何年前に始まったと思ってるんだ?記事の言い方だと、まるで日本政府がごく最近作ったものみたいに聞こえるけど。

・中国育ち。ドラえもん見てた。後になるまで日本のものだって知らなかった。…で、何が問題だって?

・ほんと中国の新聞はクズばっか。一般人のほとんどは相手にもしてない。アメリカや日本の映画は中国ですごい人気。こんなアホみたいな脅威を煽る記事書いても変わらないよ。

・政府が外国のものを見てほしくないんだったら、メディア規制を緩めてもうちょっとましな番組作れるようにしないとダメだろう。

・中国の新聞のほとんどは、中国以外のものについてはこんなバカみたいなことばかり書きやがる。いったいどんだけ後ろ向きなんだかって笑えるけど、どうせまた政府の仕業だろう。

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Text by NewSphere 編集部