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“あと1メートル…” 日本のエネルギー戦略を左右する、パナマ運河拡張工事のゆくえ

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“あと1メートル…” 日本のエネルギー戦略を左右する、パナマ運河拡張工事のゆくえ

 現在、拡張中のパナマ運河は2015年12月に完成の予定だ。しかし拡張してもLNG大型輸送船が通過出来ず、日本にとっては米国からの液化天然ガス(LNG)の輸入にメリットが無くなっている。

【LNG大型輸送船でないとメリットがない】
 2011年の福島原発の事故が発端となり、日本は原子力エネルギーへの一辺倒の依存から、代替エネルギーとして天然ガスの輸入を増やす意向を固めている。それに饗応するかのように、米国は新しい採掘法「フラッキング」によってシェールガスの生産を増やし、天然ガスと石油でエネルギー輸出大国に転じようとしている。

 日本にとって米国からの天然ガスの輸入は中東からの輸入に比べメリットが高い。しかし、それにはパナマ運河を通過して日本に輸入するというのが所要日数と輸入コスト面で必須の条件となる。 4月23日付ウォール・ストリート・ジャーナル紙(以下、ウォール紙)の中で「日本はその輸入にQフレックスと呼ばれているLNG専用の大型輸送船を利用することを考えている」と、報じている。

 しかし、同紙は「パナマ運河が拡張された時点で通過できる船の最大制限幅は49メートルとされており、Qフレックスの幅は50メートルで、通過許可が下りなくなる」「この大型船のメリットは通常のLNG輸送船よりも積載量が38%多く積めるという点にある」とも報じて日本側の不満を伝えている。

 米国の天然ガスの主要産出地はテキサス、オクラホマ、ルイジアナ、ペンシルベニアなど南部・中部と北東部であるが故に、拡張されたパナマ運河を通過出来ないとなると、スエズ運河経由となり、所要日数において日本に到着まで5~10日余分にかかる。

 また、同紙に説明されている通り、日本は中東からの天然ガスを100万BTU(英国熱量単位)当たり15~16ドル支払っているが、米国内では4ドル前後が相場である。しかも、米国の天然ガスの生産量は今後も増え続けるとみられ、ニカラグアのエル・ヌエボ・ディアリオ紙は、米国とカナダは2025年に石油と天然ガスの輸出において中東を凌ぐ、と報じている。更に同紙は、「米国は2018年からこの2つの資源の輸出規制を緩和する意向である」としており、これにより日本にとっても長期の買い付け契約を結ぶことができる下地が揃うことになる。

【通過許容幅49メートルは51.2メートルまで拡げる 】
 この問題を公に取り上げたのは上記ウォール紙の記事であるが、パナマ運河事業団のホルヘ・キハノ理事長が同事業団の刊行物の中で、「LNGをQフレックス船に積んでパナマ運河を利用したいと望んでいる日本側の当然なる要望は運河が拡張してから対応出来るであろう」と回答している。

 また、同刊行物の中でキハノ理事長は、ウォール紙に掲載された日本側の不満に関し、「拡張工事が完了した当初は最大制限幅を49メートルにしているが、徐々に制限幅を広げ、タグボートの操作などが慣れて来れば最大許容幅を51.2メートルにまで広げる意向である」と述べている。さらに、「この事は既に日本側の船会社にも何度も説明しており、同紙に日本側の不満が取り上げられたのは意外である」としている。

【パナマ運河は開通して100年】
 米国の意向が強く影響するパナマ運河は開通して今年で100年目を迎える。この拡張工事を担当している複数の企業グループのリーダーであるスペインの建設会社サシルは、運河事業団の要望に応えて、これから先100年の耐久性を持つコンクリートを使って工事を施工している。

 その一方で、米国に対抗して中国が香港の富豪家を介してニカラグアにパナマ運河よりも更に許容量の大きい運河を建設する計画がある。この計画への懐疑論は根強いが、スペイン語版ボイス・オブ・アメリカによると、このプロジェクトの関係者はこの計画を正当付ける理由として「パナマ運河はいずれその収容能力に限界が来る」と述べている。


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