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“芸者やゴジラではない”リアルな日本女性の実像 自費出版小説がカナダで異例の書籍化

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“芸者やゴジラではない”リアルな日本女性の実像 自費出版小説がカナダで異例の書籍化

 日本人アマチュア作家の書いた短編小説集『忘れない、笑いも涙も』がカナダ、アルバータ出版社から出版された。この作品を翻訳したのはカナダ・エドモントン在住の翻訳家、メルドラム由香理氏で、英語のタイトルは“Will not forget both laughter and tears”である。日本ではほぼ無名の作家の作品がなぜカナダで出版されたのか、その軌跡を紹介しよう。

【三谷倫子作『忘れない、笑いも涙も』】
 作者は三谷倫子、68歳、札幌市出身。『忘れない、笑いも涙も』は三谷氏が2002年に日本で自費出版したものである。その後メルドラム由香理氏がこれを翻訳、それがアルバータ大学出版の編集者Peter Midgley氏の目に留まり、同社から出版された。

 エドモントン・ジャーナル紙はこの作品について、「北米に住む我々はほとんど知らない日本人の生活が描かれている。我々は芸者やゴジラは知っているが、20世紀における、中流家庭に生活する既婚の日本人女性の日常生活や彼女たちの考えは知らない。本書の22の短編と中編小説1篇はタイトルにあるとおり、これら2つの事柄が描かれている。つまり『どさん子奥さんのしょうもない話』と『心がうずく思い出』だ。中編小説『蓉子』は三谷氏の亡くなった妹への挽歌である」と紹介している。

 数編を紹介すると、「The Deity of Small Change」では、郵便局へリュックいっぱいに小銭をつめてよろめきながら両替に持っていったこと、「Men Who Don’t Laugh」では、彼女の夫が最近大声で笑うようになったことがこっけいに描かれている。

 アルバータ大学出版はウェブサイトで、本書について「この作品は日本の中流階級の女性の視点からの日常が描かれている点で評価が高い」とし、この作品を翻訳したメルドラム由香理氏の「できるだけ原本に近い翻訳を心がけたが、最も難しかったのは、文化的な違いを伝えることだ。原作にある外国作品としてのよさを残しつつ、読者に読みやすいものを目指した」とのコメントを掲載している。

【言葉で日本とカナダの架け橋に】
 メルドラム由香理氏は現在カナダ、アルバータ州エドモントン市で翻訳会社を経営する傍ら、翻訳家としても活躍中。幼い頃に通っていた公文教室で生徒を教えていた三谷氏と出会い、交流が続いた。言語学修士号を取得し、2000年に翻訳家としての仕事をスタートさせた。

 アルバータ大学のサイトではメルドラム由香理氏の「この小説は実話に基づくフィクションですが、私はこのような面白い話を翻訳するのに膨大な時間をかけました」とのコメントを紹介し、日本語の持つ繊細な表現を翻訳する苦労を伝えている。

 また同氏が経営する翻訳会社のキャッチコピーは「言葉で架け橋を」だ。彼女は「私は英語と日本語を話す人々が互いにコミュニケーションをとる手助けをしているのです」と自らの翻訳に対する理念を述べている。現在は自作の日本語の小説を書いており、他の文学作品の翻訳にも熱心に取り組んでいる。1930年代に亡くなった日本人詩人の詩の翻訳も手がけている。(Alice Majorとの共著)

忘れない、笑いも涙も

(Newsphere編集部)

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