北朝鮮船から兵器発見 海外紙はキューバとの関係に注目

 15日、パナマ当局は、キューバから北朝鮮に向かっていた北朝鮮の船舶が武器を積んでいたとして拿捕し、乗組員35名を拘束したと発表した。
 パナマのマルティネリ大統領は、北朝鮮船から、キューバ産の砂糖1トンの下から「精密なミサイル部品」とみられる機器が押収されたことを発表した。
 また、船長が自殺を図り、乗組員35人は積荷を発見されないように暴れて抵抗を行ったとも報じられている。

 もともと北朝鮮はミャンマーやシリアに対して兵器の輸出を行っていたが、なぜ兵器を輸入しようとしたのか。
 海外紙は、北朝鮮とキューバとの関係に注目して報じている。

【キューバの発表、軍事評論家の意見】
 16日深夜には、キューバの外務省が、北朝鮮船の積荷は240トンの「旧式防衛兵器」であると発表。北朝鮮で修理された後、キューバに送り返される予定だったとしている。

 防衛・情報調査会社IHSは、当該兵器は、地対空ミサイル「SA-2」用の迎撃レーダーだと分析した。
 同社の専門家の推測では、これらの旧式兵器は、北朝鮮でアップグレードされるために運び出されており、積荷の砂糖はその報酬なのでは、とみている。

 しかし、旧式の兵器を改良して対空防衛を強化しよう、というのは無理がある。ニューヨーク・タイムズ紙は、他の兵器が船に乗せられていたか、もしくは他の船にて運ばれている可能性も示唆している。

 また同紙は、北朝鮮の違法な取引は、それにかかわる人々が非常に貧しいということで、我々にとってはばかげた取引も、彼らにとってはおかしなものではない、と軍事評論家のコメントを取り上げた。

【キューバの動きと対米関係】
 海外紙は、キューバの行動を不可解としている。米国と関係改善緩和について対話を進めるキューバは、冷戦時代のパートナーより、西側諸国との結びつきを強めることに尽力するものだろう、というのだ。
 ウォール・ストリート・ジャーナル紙は、キューバと北朝鮮間で武器貿易が増加しているのでは、と懸念を示している。キューバの役割次第では、改善に向かっていた対米関係が悪化する可能性があるだろうとも述べている。

Text by NewSphere 編集部