ブラジルデモが激化 ネイマール選手も応援?

 ブラジルで公共交通運賃の値上げをきっかけに始まった反政府デモは、一旦沈静化したものの、20日には再び全国各地で大規模デモが予定されている。
 サンパウロ・リオ両州政府は19日、公共交通運賃の値上げを撤回した。
 しかし抗議者は、もはや運賃値上げの問題ではなく、来年のサッカーW杯や2016年のオリンピックに向けた新スタジアム建設のための、公費の無駄遣いが問題だと抗議を続けているという。その他にも、劣悪な公共施設、政治腐敗、物価高騰等の改善を訴えている。
 海外各紙は、若者中心のデモ隊の要求と政府側の観点のズレに注目した。

【ネイマール選手も一言】
 19日にサッカー・コンフェデレーションズカップ(コンフェデ杯)のブラジル対メキシコ戦が行われた北東部フォルタレザでは、デモ隊がスタジアム近くまで行進。FIFA(国際サッカー連盟)の厳しい基準で、スタジアムではなく、学校や病院を建設するよう訴えた。
 ウォール・ストリート・ジャーナル紙によると、サッカーブラジル代表のエース・ネイマール選手までも、試合前に自身のツイッターで、「交通、健康、教育、安全のよりよい状況を要求するため行進する必要はないと思っていた。これらすべては政府の義務だ」と発言したという。
 政府は今月末まで続くコンフェデ杯での暴動に備え、5 都市に治安部隊を派遣する方針を明らかにした。

【若者と政府の見通しの違い】
 ブラジル政府は過去10年にわたり、4000万人の貧困層の所得を上げ、新中間所得層(Cクラス)へ押し上げたことに誇りを持っている。実際、大学生の数は2000年から2011年で倍となり、失業率は過去最低の水準を維持している。
 デモが拡大する中でも、この政府の政策により生活水準が上がった国民の期待は高いままだとニューヨーク・タイムズ紙は報じた。しかし多くの大卒生は給料の良い仕事に手が届かず、若者の現実と政府の見通しに大きな違いがあることを指摘した。

【サンパウロの迷走】
 運賃値上げを撤回したアルクミン・サンパウロ州知事は同日、自身を含む数千人の公務員の給料を10%以上上げることを明らかにしたとニューヨーク・タイムズ紙は報じた。特定の公務員の高給料は長く非難の的となっており、同国の高官の中には他の先進工業国より多く稼ぐ者もいるという。
 またハダッド・サンパウロ市長は、お金がかかると抗議者が懸念している2020年の万国博覧会誘致に尽力している。同紙は「将来の大統領候補にも挙げられる左翼与党の新星がなぜ国のムードを読み違えたのか」と報じた。

Text by NewSphere 編集部