海外メディアが習氏夫人を絶賛 その理由とは?

 中国の習近平国家主席の初外遊に同行している彭麗媛夫人の外交デビューが華々しく報じられている。彭夫人は軍所属の国民的歌手であり、習氏が政治界で注目を浴びる前から絶大な人気を獲得していたという。歴代の国家主席夫人らとは対照的なその華やかな存在感に、中国のイメージアップが期待されているようだ。
 海外各紙は国民が待ちわびていたファースト・レディーの魅力についてまとめている。

【中国ソフト・パワー強化に貢献】
 彭夫人の存在は、国際社会におけるソフト・パワーの強化やイメージアップに苦戦してきた中国にとって、正に夢叶った存在だとニューヨーク・タイムズ紙は報じている。18歳から始まるキャリアは輝かしいもので、何十年にもわたって数多くの大イベントで大役を務めてきた。
 また、美しいソプラノボイスで国内外の人々を魅了してきた他に、習氏の出世と共に慈善活動にも精を出してきたという。国内でチャリティ公演を行う他、2011年には世界保健機関(WHO)の「結核・エイズ予防親善大使」に任命されている。今回の外遊先であるアフリカなどでは夫人単独の活躍も期待されているようだ。

 彭夫人の活躍に対しては、中国だけでなく、夫の習氏の人気上昇も期待されるとテレグラフ紙(英)は注目している。特に、歴代主席らとは異なり、プライベートについても公に語っていることから、より親しみやすい人物として国民の心を掴めそうだという。習氏とのなれそめについても、雑誌の取材で、86年に知人に紹介された際の第一印象は「(習氏は)野暮ったく老けてみえたが、後に頭の良い人だと思い直した」ことなどを明かしているという。さらに日常生活の様子も語り、「家では国の指導者ではなく、ただの旦那さんです」とも述べている。

【世界のファースト・レディーに引けをとらない影響力】
 ウォール・ストリート・ジャーナル紙によると、彭夫人は中国メディアやネット上で「 もうこれで優雅なファースト・レディーを探さなくていい」と大歓迎され「彼女のように中国の将来も一新されれば」と期待されているという。
 また各紙とも、同氏はロシアのライサ・ゴルバチョフや、米国のミシェル・オバマ、英国のケイト・ミドルトンのようだとして世界中のファースト・レディーらに例えている。ライサ夫人はソ連崩壊時にゴルバチョフのイメージアップに務めたとされている点が、ミシェル夫人とケイト夫人に関してはそのファッションリーダー的要素が似ていると言われている。今や彭夫人が外交先で身に着けていた衣服の類似品がネット上で飛ぶように売れているという。

 総じて各紙の報道は、欧米のファースト・レディーのような役割を果たす初めての中国共産党指導者夫人とあって、中国や夫を支える存在として多方面から大きな期待が寄せられていることを浮き彫りにしている。

Text by NewSphere 編集部