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チュニジア・野党リーダー暗殺事件の影響は?

  • カテゴリー:国際
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 6日、チュジニアの野党指導者ベルイード氏が、自宅前で銃撃を受け、暗殺された。「アラブの春」の先駆けとなり民主化を進めてきた同国では、2011年の民衆蜂起で当時のベンアリ大統領が追放されて以来、初の政治的暗殺となった。この事件を受け、各地で大規模な抗議デモが発生し、政治基盤となっているイスラム教とそれに対する世俗派との間にある深い溝が改めて浮き彫りになっている。
 海外各紙は、今回の事件を皮切りに発生したイスラム主義政府に対する反発の様子や、政府の対応を報じている。

【以前より身の危険を訴えていたが・・・】
 ベルイード氏は、厳格なイスラム原理主義を唱える「サラフィスト」の背後に与党の穏健派イスラム政党「アンナハダ」がいるとかねてから指摘し、サラフィストらによる政治的暴力を政府が容認していると批判してきたとニューヨーク・タイムズ紙は報じている。こうした活動の影響か、ベルイード氏は自身や支持者に対しても攻撃が繰り返されていると訴えていた。しかし活動家やジャーナリストらが悪質な攻撃を受けたと訴えても、警察や裁判所には取り付く島もなかったという。同紙は、アナリストによる「チュニジアには刑事免責の文化があり、それが横柄さを増長させている」という言葉を取り上げている。

 またウォール・ストリート・ジャーナル紙は、同国の政治はイスラム主義者たちによってイスラム法重視の憲法草案に傾いており、人権や男女平等が保証されていないと反発する世俗派野党各党の声を報じた。彼らは、イスラム主義者たちが権力固めと勝算の低い選挙の阻止を狙って政治の編成を遅らせていることに不満を抱いているようだ。ベルイード氏暗殺を受けて、日頃から政府に対して不満を抱いていた世俗派らの怒りが一気に爆発し、各地での大規模なデモとなった。

【与野党の歩み寄りで事態解決となるか】
 怒りに震える世俗派らのデモを受け、ジェバリ首相は即日、イスラム政党主義の連立内閣に代わる実務型内閣を設置し、早急に選挙を実施する意向を明らかにしたとフィナンシャル・タイムズ紙は報じている。「我々は岐路に立っている。これまでの失敗から学び、国家の未来のために正しい道を進むか、またはこの国には民主主義や革命の望みはないというネガティブな捉え方をするかだ」と述べたという。

 ウォール・ストリート・ジャーナル紙によると、穏健派アンナハダの一部メンバーや多くの野党勢力は、何ヶ月間にもわたって挙国一致内閣を求めてきたが、その構成をめぐる交渉が難航していたため合意に至らなかったという。今回の発表にある「包括的な内閣」も野党との歩み寄りが実現するか、注目されている。野党の中には、イスラム主義主体の制憲議会からの離脱を辞さない声もあり、多くが引き上げればチュニジアの民主体制移行は頓挫し、選挙も遅れる恐れがあるという。

 今後の進展が注目されるところだが、少なくとも政府が迅速に対応した点で、エジプトやリビアなど同様の問題を抱える近隣諸国のような政治的混乱を回避できる可能性が出てきたといえるとニューヨーク・タイムズ紙は報じている。

 またエジプトでは、平和的な民主化に取り組んできたチュニジアで起きた暗殺事件は、国家再編を目指す社会にとって暴力や間違った改革など負の問題に直面するとこは避けられないという「警告」と受け止める声もあるという。アナリストは「エジプトのイスラム教徒はコンセンサスと信頼の構築に失敗し、多数決主義に甘んじている。チュニジアでは自由主義者と手を組んだが、右派との協力体制の構築に失敗している」と分析していると同紙は報じた。また、イスラム教徒にとって過激派を抑制することは困難であり、サラフィスト問題に対処してこなかった穏健派政党アンナハダの今後の対応も注目されるところだ。

(Newsphere編集部)

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