甘利大臣発言は急激な円安への警戒か?海外紙が分析

甘利大臣、円安警戒発言の真意とは 甘利明経済財政・再生相は、「過度な円安は、輸入費用の増加を引き起こし、国民の生活に悪影響を与える可能性がある」と述べた。この発言の影響で円を買い戻す動きが広がったためか、日本円はドル、ユーロに対して上昇の動きをみせた。15日のニューヨーク外国為替市場では、円が対ドルで5営業日ぶりに反発。対ユーロでも上昇率が過去7ヶ月で最大となった。なお16日の東京株式市場で日経平均株価は反落し、前日比2.56%安の1万600円44銭で取引を終えている。
 海外紙は、円安の動きを政府や投資家や企業がどのように受け止めているのか、そして今後の方針、影響について報じた。

【甘利氏のねらいは】
 甘利大臣の発言は、対ドルで79円台(11月中旬)から89円台へと急速に進む円安傾向を緩和させるねらいがあったとみられている。当初は、甘利大臣が現状を「過度な円安」ととらえている、という誤解もあったため、これまでの円安傾向が反発したようだが、こうした情報は既に修正されている。実際、甘利氏はTV番組のインタビューで、前政権に比べ円は適正な水準に調整されているという見解を示している。ただし、ウォール・ストリート・ジャーナル紙などは、同氏は100円/ドル程度を目安にしていることを示唆しているようだとも報じている。

【企業の反応】
 ウォール・ストリート・ジャーナル紙は、ここ数年の円高は日本の輸出企業の競争力を弱めてきたと指摘。苦しんできた企業は、昨今の円安を求める政府の姿勢を歓迎しており、市場も期待感から株高傾向にあるとみている。
 一方で、円高の恩恵で安価であったエネルギーの輸入コスト上昇を懸念する声も、一部の経営者からあがっている。東芝の佐々木社長は、ほとんどの原発が運転停止となっていることから、輸入が増えている燃料の価格が高くなり、過度な円安は経済を衰弱させる恐れがあると述べた。同社長は、円安は日本の景気にとっては良いことだと述べたうえで、エネルギーと円安をうまく調整することが大切だと述べた。
 
 基本的には円安傾向を歓迎しつつも、そのリスクについても勘案せざるを得ない、日本経済の問題の複雑さが現れていると言える。

Text by NewSphere 編集部