「アベノミクス」を海外紙はどう分析したか?

「アベノミクス」を海外紙はどう分析したか? 安倍晋三自民党総裁は、23日の民放番組にて、日銀法改正を行なってでも政府と日銀の政策協定(アコード)に物価目標2%を導入させる意向を、これまで以上に強気な姿勢で表明した。協定については、今月19日から2日間にわたって開かれた金融政策決定会合にて議論が開始され、来年1月の会合で具体的な内容を検討していく予定だ。安倍氏はまた、自身の政策を反映させた協定の締結以外にも、雇用拡大についてしかるべき結果を導き出せない場合は日銀へ責任を負わせる考えを示した。
 海外各紙は、勢いを増す安倍氏の経済政策「アベノミクス」の影響を、それぞれの視点から分析した。

 まずフィナンシャル・タイムズ紙は、安倍氏の強気な姿勢に対して、「日本経済が後退し続けているのは日銀が消極的な金融政策を行なってきたためだ」と考える人々にとっては心強いものだろうと報じている。一方で、経済低迷は労働力の減少や規制が厳しすぎる経済環境などの社会構造によるものだと考える人々の疑問は解決できないだろうとも指摘している。また、白川総裁は日銀の国債買い入れを批判しているものの、任期は4月までのため、後任には緩和に積極的な人物が選ばれる、と安倍氏が明確にしていることを報じた。

 同様にインターナショナル・ヘラルド・トリビューン紙も、安倍氏が日銀法改正や日銀総裁の後任選びなど根本的なレベルから金融政策への関与を強めており、日銀はもはや逃げられないだろうと報じている。安倍氏は「世界中の中央銀行が自国の紙幣をたくさん刷り、経済を支え、輸出競争力を高めている」と述べ、日本も同様の政策を取るべきだと主張している。日本の首相が日銀に対してこれほどの強気の姿勢でぶつかることは異例とされている。ただ実際、日銀は金融緩和の追加を繰り返しており、今月20日には9月以降3度目となる緩和に踏み切っている。

 よりマクロな視点からの分析を試みたのは、ウォール・ストリート・ジャーナル紙。世界で行われている金融政策には2つの方法があると報じている。まず、米国などが行なってきた、低金利政策や量的緩和による自国通貨の相対的価値を抑える方法。そして、韓国でみられるように、中央銀行が自国通貨を売り、他国の通貨を購入する為替介入だ。ただし為替介入の効果は限定的とされており、この方法に否定的な安倍氏は無制限緩和といった大胆な政策を掲げているとした。
 また同紙は、アナリストの中には「自国通貨の為替相場を下げようとする各国の動きがぶつかり合うことで貿易戦争にもなりかねない」と懸念する声も挙がっていると報じている。実際にここ数年で各国の為替政策に関する協力体制が減ってきているとも指摘している。このような世界情勢の中で、自民党は、円安政策をあくまでも行き過ぎた円高の是正であるとしているようだ。実際、石破幹事長は、過度な円安を否定した上で、「85円から90円ぐらいにどうやって収めるかということを考えなければならない」と述べている。専門家は、こうした方針を、輸出入への影響や他国への刺激という観点から妥当と評価しているようだ。

Text by NewSphere 編集部