北朝鮮、ミサイル発射延期の思惑とは?

 北朝鮮は10日、長距離ロケットの発射予告期間を12月29日まで延長すると発表した。今月頭に「10日から22日の間に地球観測衛星を打ち上げる」としていたものの変更で、海外諸国は長距離ミサイル技術の試験だと見ている。延長の具体的な理由は明らかにされていない。
 なお、同国は今年4月にも衛星と称したミサイルを発射したが失敗に終わっている。今年1年間で2回目となる異例の試みに対し、海外メディアは不安定な同国の内情について注目している。

 ウォール・ストリート・ジャーナル紙は、今年に入ってから計画された北朝鮮のミサイル発射は、亡き金日成・金正日ら金一族を称える国営プロパガンダ機関の優先課題であるとしながらも、2回のミサイル発射の間には大きな違いがあると指摘している。まず、今回は国内での事前告知がされていないだろうこと、そして、発射の瞬間を取材する海外メディアを招待していない点だ。この背景には、金正恩氏に対する不満が最近になって噴出しており、内乱を恐れた同氏が統制者としての権威を強化するために強行していることが関係していると推測されている。

 今回のミサイル発射予告期間が日本と韓国の選挙日を含むことから、各国への影響が生じるとの見方もある。ウォール・ストリート・ジャーナル紙は、16日に衆院選を控えた日本では直ちに争点となっていると報じた。野田佳彦首相は政府の北朝鮮政策をアピールし、「今後も政治的な空白を作ることなく、冷静で実務的な外交・安全保障政策推進に務める」姿勢を明らかにしている。一方で、野党・自民党の安倍晋三総裁は、野田政権が4年ぶりに北朝鮮との交渉を再開したことを批判し、同国に対する制裁強化を呼びかけている。

 また韓国に対しての北朝鮮国営メディアには、反北朝鮮である保守系与党を批判し、北朝鮮への資金援助や外交に賛成するリベラルな政治家を持ち上げようとする動きが数ヶ月間にわたってみられているという。李明博大統領は「大きな影響とはならないものの、(北朝鮮は)事あるごとに、選挙に介入しようとしてきた」と発言している。 そんな中で発表されたミサイル計画について、野党・民主統合党は与党セヌリ党に北朝鮮の脅威を煽り、選挙に利用しないよう警鐘を鳴らしている。

Text by NewSphere 編集部