ギリシャ、50億ユーロ調達へ―短期的には安心、長期的には危険な現状―

ギリシャ ギリシャ政府は13日、短期国債の入札で総額40.6億ユーロ(約4060億円)を調達した。16日に償還期限を迎える約50億ユーロの国債の借り換えを目的に行ったもの。サマラス首相はEUなどに支援融資を求めていたが、12日のユーロ圏財務相会合では結論が先送りされていた。

 各紙は、調達額は50億ユーロに届かなかったものの、今後の入札を通じて補充される見込みだと報じている。いったんはデフォルト(債務不履行)の危機を脱した形だとみている。ただし投資家は、ギリシャ経済が落ち込む一方、債務削減飲み込みがたっておらず、中期的にはデフォルトは避けられないという見方だと、ウォール・ストリート・ジャーナル紙は報じている。なおギリシャは、厳しい政治環境のもと、緊縮予算成立など改革に取り組んできたとし、財政赤字が目標に沿って縮小していないのは景気後退が主因との見解を示しているという。

 各紙は、別の懸念として、ギリシャへの融資と監視を行うトロイカ(EU、ECB、IMF)の内部対立が挙げている。具体的には、債務の対GDP比を120%に低下させる時期について、IMFは2020年の目標を堅持すべきとする一方、ユーロ圏財務相らは2022年に延長すべきと主張しているという。フィナンシャル・タイムズ紙は、対立の背景として、ヘアカット(債務元本の減免)もやむなしとするIMFの考えに対し、ドイツなどが強く反発していることを指摘した。

Text by NewSphere 編集部