「奈良公園は世界一の魔法の国」 キュートで凶暴な鹿の虜になる外国人観光客続出

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 奈良公園に魅力を感じる外国人旅行客が増えている。京都からの近さに加えて、広大な自然の中に神社仏閣が散在する開放感は他にあまり類を見ない。また、キュートでフレンドリーな鹿の虜になる観光客が続出しているようだ。旅行サイト『トリップアドバイザー』で5段階中最高の「とても良い」とレビューした人の割合も、日本語によるレビューでは36%に留まるのに対し、英語・中国語ではどちらも60%以上で、「良い」も含めると95%近くとなる。訪日外国人からの満足度は非常に高いようだ。

◆おじぎをする“礼儀正しい”奈良の鹿
 一番の人気者は公園内の鹿たちだ。奈良の鹿は人間に向かっておじぎをすることで知られる。オーストラリアの『news.com.au』では、記者が実際に奈良公園を訪れ、食べ物をねだりおじぎをすることを紹介している。おじぎを愛する礼儀正しい日本人からの影響かも、と茶目っ気ある分析をしている。

 動物のおじぎは海外でも不思議に思われているようで、トリップアドバイザーのフォーラムでは、海外ユーザらが理由を議論していた。宮島の鹿はおじぎをしないことから、鹿としての習性ではなく、餌を得るために学習したという見方が有力のようだ。

 アメリカNBC系列の『ブラボーTV』の記事でも、「奈良公園はおそらく地球上で最もマジカルな場所だ(ごめんねディズニー!)」という賞賛ぶりだ。アメリカで一般的な鹿よりも驚くほど小さいという。日本人にとっては一般的なサイズだが、欧米人にはキュートなルックスと映ることも人気の秘密のようだ。

◆怪我に注意?
 旅行者を次々に虜にする鹿だが、凶暴な一面もある。毎日新聞は外国人旅行客の鹿による怪我の急増を伝え、注意を促す。軽傷がほとんどだが中には骨折の例もあるという。

 また、『news.com.au』は実際に訪れた記者の視点から怖さを表現する。記者自身が鹿せんべいを求める個体に襲われたほか、空腹の鹿の集団に囲まれているカップルを目撃している。「有名なジュラシックパークの恐竜の群れのようだった」とややオーバーな表現で振り返る。あくまで野生動物ということを念頭に接する必要がありそうだ。

◆一日中、日本文化にどっぷり
 奈良公園の魅力は鹿だけではない。ワシントン・ポスト紙はカリフォルニア在住のエリザベス・ザック氏の訪問レポートを掲載している。公園内にはユネスコ世界遺産に登録されている奈良の大仏のほか、あちこちに寺社があり、行き先を決めずに歩けることが気に入った様子だ。また、公園近くの130年続いた書道教室を改装したゲストハウスに宿泊し、ほのかな光に照らされた中庭に心を奪われたとのことだ。

 こうした複合的な魅力が旅行者にアピールしているようだ。先日トリップアドバイザーが発表した『外国人に人気の日本の観光スポット 2017 トップ 30』では、兼六園、姫路城、明治神宮といった有名スポットをおさえ、奈良公園が11位にランクインしている。同公園内の東大寺も5位と評価は上々だ。

 奈良公園へは大阪駅からも快速電車1本でアクセスできる。鹿や静かな森などに加え、いくつもの寺社を巡ることのできる見どころ満載のスポットとして、海外からの旅行者にも親しまれているようだ。

Text by 青葉やまと