PS4、販売台数でXbox Oneを凌駕 今後の趨勢を占う海外紙、Xboxが隠し玉で巻き返す?

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 ソニーのPlayStation 4が海外で人気だ。マイクロソフトのXbox Oneを大きく引き離し、北米では2倍、欧州では3倍の台数を売り上げているという(タイム誌)。一方でXboxも新機種の発表を控えており、話題には事欠かない。過熱するゲーム市場を制するのは一体どの陣営だろうか?

◆PlayStation 4の優位性
 タイム誌は2013年の発売以来、PS4が世界で6000万台を売り上げたことを報じ、過去最高だったPS2を上回るペースだとしている。一方、Xbox Oneの販売台数は世界で3000万台以下と見られている。

 フィナンシャル・タイムズ紙は4K対応の上手さを指摘する。上位機種のPS4 Proですでに4K出力が可能で、Xboxの上位機種に1年以上の差をつけると見られている。イギリスのザ・サン紙は価格面での優位性を挙げ、約300ポンドのXboxに対して約250ポンドという値付けが消費者に受け入れられていると分析する。スペックと価格の両面が後押しとなり、欧米ではPS4が圧倒的優位を見せているようだ。

◆巻き返しなるか? Xboxの隠し玉
 一方のマイクロソフトも黙ってはいない。Xboxの新型機となるコードネーム「Project Scorpio」の発表を今月に控え、ゲームファンたちの注目を集めている。

 フォーブス誌に掲載されたDave Thier氏の寄稿記事(4月6日付)では、PS4が擬似4Kなのに対し、Scorpioはネイティブ対応だと指摘する。「この点でPS4 Proを圧倒する」との読みだ。

 サービス面では、定額制で100タイトル以上を楽しめる「Game Pass」を6月1日から提供している(国内未定)。イギリスのデイリー・スター紙は、同サービスがオフラインでも遊べる点に注目し、ソニーのPlayStation Nowに比べて、ネットの不安定な東南アジアでも好まれるだろうと予測。そして「Game Pass」がPS4ユーザーのXbox Oneへの鞍替えを促し、形勢を一変させる可能性があるという見方を紹介している。

 Project Scorpioはネットでの注目も熱い。ゲーム情報サイト『IGN』は、PRビデオに謎のメッセージが隠されていると伝える。「X10S101-317」「101317」という文字列が小さく確認でき、モデル番号と発売日(2017年10月13日)の暗示であるなど、ツイッターを中心に複数の説が飛び交っている。

◆真の敵はモバイルゲーム
 火花を散らす両陣営だが、実は共闘関係でもある。家庭用ゲーム機は伸び悩んでおり、真の敵は近年流行のモバイルゲームだという見方があるからだ。

 フィナンシャル・タイムズ紙は、ソニーのアメリカ法人のCEOの見解を紹介している。もう一つのライバルであるSwitch発売以降も、PS4の販売数はほぼ減速していないとのことで、むしろ市場全体の盛り上がりを歓迎している。

 ザ・サン紙もモバイルゲームに触れ、同市場に傾倒していた日本のゲーム開発会社が家庭用市場に戻りつつあることを評価している。ハードメーカー同士はライバルでありつつも、家庭用ゲーム機の復権という使命を共有しているようだ。タイム誌のインタビューに答えた、ソニー・インタラクティブ・エンターテインメントヨーロッパ(SIEE)のCEO、ジム・ライアン氏はこの日本のゲーム開発会社の動きを「我々にとってものすごく重要」とし、続けて「それについてE3で大きな発表がある」と述べている。

 そのゲームの大型見本市である「E3」だが、今月13日(現地時間)からロサンゼルスで開催される。ソニー、マイクロソフトとも出展を予定しており、ゲーム市場を盛り上げるような大きな発表に期待したい。

Text by 青葉やまと