日本は世界一のロボット大国 — スタッフがロボットのホテルも全国に続々とオープン

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 映画『ターミネーター』では人類に反逆するロボットが描かれていたが、そのような時代が来るのだろうか。今やロボットはあらゆる場面で活用されており、人工知能の技術もさらに進歩している。このようなロボット社会について、バンクオブアメリカ・メリルリンチが興味深い調査を発表している。

◆ロボット大国日本
 この調査には、ロボットがどの国で最も多く使われているかを表した世界地図が掲載されている。この地図によると、日本は世界一のロボット大国で、2012年の時点で31万台以上のロボットが使われている。これは2位のアメリカの約16.8万台を大きく引き離してダントツの1位である。ランキングは約16.2万台のドイツが3位、約13.9万台の韓国が4位、約9.7万台の中国が5位と続く。

 バンクオブアメリカ・メリルリンチは、「日本の長崎にはほとんどのスタッフがロボットのホテルまである」と言及し、日本のロボット大国ぶりを強調している。このホテルは、ハウステンボス株式会社が運営する「変なホテル」であると考えられ、朝日新聞によると今年3月には千葉県で2号店が開業し、今年8月には愛知県で3号店が開業する予定だという。また、今月12日のハウステンボス株式会社の決算発表では、今後1年以内を目処に東京、大阪、台湾でもオープンさせる計画が明かされている。

◆ロボットの活用は仕事を減らす?
 このように世界中でロボットの利用が拡大しているが、ロボットの活用は当然、既存の仕事を減らすことになるだろう。調査では、国際ロボット連盟(IFR)のデータとして、世界の産業ロボットはここ10年で72%も増えたが、その一方でアメリカの製造業の仕事は16%減ったことを指摘している。

 さらに、世界経済フォーラム(WEF)によると、2020年までに「遺伝学、人工知能、ロボット工学、その他の科学技術の発展により、15の主な先進国・途上国において、200万の新しい仕事が増え700万の仕事がなくなるだろう」という。つまり、全体で見ると2020年までに500万もの仕事がなくなるということだ。

 日本経済新聞の「私の仕事、ロボットに奪われますか?」と題した記事では、様々な職業についてロボットで代替可能であるかを調べることができる。この記事に掲載されているインタラクティブ計算ツールは、米マッキンゼー・グローバル・インスティチュートによるデータに基づいてフィナンシャル・タイムズ(FT)が作成したという。

 記事によると、ほぼ全ての職業で自動化の余地があるが、現在の技術で完全に自動化できる職業は少なく、全体の5%もないという。また、実際にAIに仕事を代わられるかどうかは、ロボット導入のコストや規制、社会通念などによっても左右されることが指摘されている。AIの導入はある仕事の全てを代わるのではなく、人の業務の内容を変えるにとどまるようだ。AIにより理論上完全な自動化ができる職業はミートパッカー(精肉業)や眼科検査技師など、AIにより自動化できない職業は歴史家や聖職者などが例として挙げられる。

 いずれにせよ、ロボットの更なる普及により今までの仕事や社会が変わっていくのは避けられないようだ。

◆日本政府によるロボット新戦略
 そんな中、日本政府もロボット社会の実現に力を入れているようだ。平成27年1月には、ロボット革命実現会議の取りまとめ結果として、「ロボット新戦略」が公表された。

 このロボット新戦略が目指す社会では、「自動車、家電、携帯や住居までもがロボット化」していて、「製造業から日常生活まで、様々な場面」でロボットが活用される。これらは社会課題を解決するとともに、国際的な競争力を強化することが期待されている。こうした社会を実現する3本柱として、①世界のロボットイノベーション拠点となること、②日本が世界一のロボット利活用国となること、③ITやビッグデータ、人工知能を融合したロボットの新しい時代をリードしていくことを掲げている。このロボット新戦略を受けて、規制改革や環境整備、産学官による「ロボット革命イニシアティブ協議会」が設立されている。

 これからも加速していくであろうAIとロボットの進歩により、世界はますます変わっていくだろう。そのロボット活躍の時代に、日本が世界をリードし続けることに期待したい。

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