「糞クチュール」がファッション業界の変革を促進する 第2回Global Change Award

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「糞クチュール」がファッション業界の変革を促進する 第2回Global Change Award

 H&Mファウンデーションは、循環型の廃棄物を出さないファッション業界への移行を促進すべく、イノベーションアイデアを競う「グローバル・チェンジ・アワード」を2015年から始めており、この度第2回の5組の受賞者が決定した。この5組は130カ国、2,883件のアイデアの応募の中から、ワールド・バンク・グループの気候変動・環境ファイナンスの所長を務めるヴィクラム・ウィッジら専門家審査員団により選ばれており、これまで廃棄されていたものを使った素材や、リサイクルを前提とした素材のあり方などを提案している。受賞したアイデアの具体的な内容を以下で紹介しよう。

糞クチュール:牛の糞を材料とした布地

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生物分解性テキスタイルを作り出すために、牛の糞に含まれる貴重なセルロースを抽出し使用する。これによって、メタンガスや土、水、大気を汚染する物質の放出も著しく減少させることができる。

グレープ合皮:ワイン製造の工程で出る廃棄物を使った完全植物性の合皮

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ワイン生産からの残余物を使用して上質の植物性の合皮を生産することは、動物福祉に適しており、合成皮革を作るための石油の必要性を排除する。 さらに、ぶどうの皮や茎が燃焼の代わりに良いもののために使われる。

コンテンツ繊維:何を着ているのかを教えてくれるデジタル繊維

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RFID糸を使ってデジタル化された「材料リスト」を服に織り込む。服がどのような材料でできているかが明らかになるため、リサイクルのプロセスがさらに効率良くなり、廃棄物の量が少なくなる。

太陽光テキスタイル:太陽のエネルギーを使って作る服飾布地

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石油の代わりに水、植物性廃棄物、そして太陽光エネルギーのみを使って分解性ナイロンを製造することで、地球への負担を減らす。さらに、このナイロンはまた温暖化ガスをその材料の中に結合させて排出量ゼロの世界に貢献する。

デニム染めデニム:古着デニムを使った新しいデニム染色

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古着デニムを細かい粉に分解し、新しいデニムを染めたり、テキスタイルにプリントするための染色パウダーに変える。この手法は製造に使われる水とエネルギーの両方を削減し、また古着デニムを廃棄する代わりに再利用する。

 本アワードは、マイケル E.ポーター教授らが中心となって提唱する、社会的価値を経営モデルに組み込んだCSV(Creating Shared Value)の具体的な取り組みと考えられる。ファーストリテイリングもリサイクルなど様々な形でサステナビリティへの取り組みを行なっている。グローバルSPA企業の活動により、ファッションビジネスのサステナビリティが前進することを期待したい。

 受賞者のアイデアに世界中の人々が参加できるオンライン投票が行われ、100万ユーロが5組間でどのように配分されるか決まる。オンライン投票は 2017年3月27日から 4月2日まで行われる。この取り組みに賛同される方は、こちらから投票に参加してみてはいかがだろう。

photo via H&M Foundation

(酒田 宗一)

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