パチンコ業界 海外の反応まとめ

 日本のカジノ誘致をめぐって、パチンコ業界が揺れている。

 かつて、日本の伝統的なギャンブルとして人気を博してきたパチンコは、今では若者離れや、人口の減少も相まって、業績が落ち込む一方となっている。そんなパチンコ業界にとって、近年取りただされている、日本のカジノ解禁は、新規顧客獲得へ繋がる大きな契機となるだろうと予測される。

 パチンコ業界が変革を起こしているのは、なにもカジノに限ったことではない。国内に目を落としても、多くのパチンコ業を営む企業が、業績の改善に向け女性客の獲得に乗り出す動きを見せている。

 一方で、パチンコそのもののイメージが海外からはよく見られていないようだ。ロンドン発のグローバル情報誌『モノクル』が、2014年の「最も住みやすい世界の都市25」を発表し、東京が2位にと高く評価した一方で、パチンコ店の数が多いことを減点理由として取り上げていた。

 以下、昨今の主要な海外の反応をまとめる。

1)“若者離れ”で斜陽のパチンコ業界、カジノ経営に本腰か? 海外紙が分析

 日本にとってカジノの解禁が秒読み段階に入った一方で、これまで全国を席巻してきたパチンコの遊技人口が大幅に減少している。公益財団法人日本生産性本部の調査によると、パチンコの遊技者はこの20年で2/3の1100万人に減った。

 FT紙はまた、小規模なパチンコホールが廃業に追い込まれている一方で、業界大手はパチンコに見切りをつけ、解禁を見越してカジノ経営に軸足を移しつつあると報じる。

 FT紙が報じた投資会社の試算によると、日本に10数ヶ所カジノができれば、年間400億ドル程度の収益が見込まれるという。これは世界最大の市場を持つマカオより約100億ドル少ない計算になる。

(パチンコ業界の動きが目まぐるしい。パチンコ台メーカーのセガサミーは、国内で経営難のシーサイドリゾートをカジノ用地として買収したほか、韓国の運営会社と提携してソウル近郊にカジノ建設を計画しているという。また、パチンコホール運営会社、ダイナムもカジノ運営に参画するため、複数のアジアの運営会社と提携に向けて協議を重ねているという。)
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2)パチンコ業界、女性取り込みに本腰? 人口半減危機への対策に海外も注目

 英エコノミスト誌によれば、パチンコ業界はカジノ解禁よりも、もっと大きな課題を抱えている。それは、ビデオゲームで育った若者世代向けに業界が自己変革を遂げられるかだという。

 若者にとってパチンコは時代遅れとみなされ、2002年以来利用者は半減している。ダイナムの広報担当者は、若年層と女性を惹きつけられなければ業界の存続は危ういと語る。

(パチンコ業界のカジノ進出が注目を集める中、既存のパチンコに対する改善策が取り上げられている。日本の伝統的な「ギャンブル」である、パチンコ業界は、業績の拡大に向けて、今後難しい判断を迫られるだろう。)
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3)パチンコと路上喫煙で減点? 東京、「世界で最も住みやすい都市」惜しくも2位

 ロンドン発のグローバル情報誌『モノクル』が、2014年の「最も住みやすい世界の都市25」を発表した。

 2位は東京で、「フード、ショッピング、アートは今まで以上に魅力的」と高く評価された。一方、「パチンコ店の数や公共の場における喫煙の禁止、労働時間過多といった点を改善すべき」とされている(Business Media 誠)

(今回の発表を受けて、海外からは評価を疑問視する声も挙がっている。順位の正確さはどうであれ、海外から日本がどう見られているかの一例として、日本は今回の結果を真摯に受け止めるべきであろう。)
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Text by NewSphere 編集部