米国でも麻生節、聴衆に「我々の航空会社は乗客に乱暴しない」 メディアも奔放発言に注目

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米国でも麻生節、聴衆に「我々の航空会社は乗客に乱暴しない」 メディアも奔放発言に注目

 21日からワシントンで開かれる、G20財務相・中央銀行総裁会議出席のためアメリカを訪れている麻生副総理兼財務相が、会議に先立ちニューヨークのコロンビア大学でスピーチを行った。ダンディなのに茶目っ気いっぱい、そしてしばしば歯に衣着せぬ物言いで物議を醸しだすも、「俺たちの太郎」と呼ばれ絶大な人気を誇る麻生氏は、今回も強気で微妙なスピーチを披露。大手通信社により、その様子が報じられている。

◆アメリカのプレッシャーに牽制?FTAよりTPP
 麻生氏のスピーチの中でまず注目されたのが、「アメリカ抜きの11ヶ国でTPPをスタートすることについての議論が、おそらく5月のAPECで出る」と発言したことだ。実は麻生氏は訪米前に、ペンス米副大統領と日米経済対話に臨んだが、市場開放に強いプレッシャーをかけられるのを嫌う日本側と、双方にとって最良なのは二国間協定だけで、「TPPは過去のもの」というペンス副大統領との間で意見が合わなかった。APは、麻生氏の発言はペンス副大統領のコメントにそれとなく触れたものだと指摘している。

 さらに麻生氏は、TPP交渉では他の参加国との合意を通じて損失を埋め合わせることが出来たため、日本はアメリカの要求に応じることが出来たが、二国間交渉ではそうはいかないとも述べた。これについてロイターは、直接日本にプレッシャーをかけようとするアメリカに対し、「もう前のような妥協の余地はない」と麻生氏が一発お見舞いしたと指摘している。

◆安倍首相をサポート。ポジティブ発言で日本をアピール
 日本経済については、麻生氏は景気回復のサインが見えてきたとし、東京五輪を前に景気は良くなると思われるので、増税もしやすくなると述べた。さらに、多くの学者が成長のための過激な手段を提案しているが、財政再建は急場しのぎではだめだとし、ヘリコプターマネーや国債の日銀引き受けの可能性を否定。増税、歳出削減、経済再生の対策を講じるしか、問題解決の道はないと持論を展開した(ロイター)。これまで2回も増税を延期しているため、このあたりは、G20会合を意識した発言かもしれない。

 また、麻生氏は日本の「失われた数十年」には異議を唱え、日本の女性の就業率、コーポレートガバナンスが改善していることをあげて、ここ数十年の間、日本にはある種の「革命」が起こっていると主張した。ブルームバーグは、安倍首相の指導力を持ち上げるため、麻生氏は多項目に渡るスピーチを使ったと説明している。

◆麻生節健在。やっぱり飛び出した微妙なコメント
 強気で説得力のあるスピーチを展開した麻生氏だが、ブルームバーグによれば、やはり今回もきわどい発言がいくつかあったようだ。

 まず、日本は景気低迷の中にあっても労働者が持つプライドはそのままで、「航空会社のクルーが暴力をふるうことはない」と語ったことだ。先日のユナイテッド航空の乗客引きずり降ろし事件にひっかけたジョークのつもりだったことは間違いない。そして、質が高くて手ごろな値段の日本のタクシーサービスにも言及し、Uberのようなビジネスは日本では必要ないという発言も行った。

 さらに麻生氏は、個人的には接待よりもコーポレートガバナンスに力を入れる会社を歓迎するが、いくらか昔の日本が恋しいと発言し、「だから高級な夜の街である銀座には、運転手付きの車が減り、中国人買い物客でいっぱいのバスが増えた」、「過ぎし日の銀座が恋しいか? もちろん私はそうだ」と語ったとのことだ。

 ちなみにブルームバーグは、麻生氏は遠慮のないコメントと時々発する失言で有名で、過去には「同期で証券会社に勤めていたのはやばいやつ」、「老後を心配する高齢者はいつまで生きるつもり」、「ナチスの手口を学んだら」などの発言で物議を醸したと紹介している。アメリカでも絶好調の「麻生節」。ご本人に悪気がないだけに、騒ぎに巻き込まれないことを祈りたい。

(山川真智子)

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