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中国より先に日本を訪問…豪新首相の意図は?一部欧米メディアは捕鯨問題に強い関心

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中国より先に日本を訪問…豪新首相の意図は?一部欧米メディアは捕鯨問題に強い関心

 オーストラリアのターンブル首相が18日に来日する。9月の首相就任後、今回が初来日となる。安倍首相と首脳会談を行い、外交、経済、安全保障、防衛分野の協力などについて議論する予定だが、ターンブル首相は日本の捕鯨再開についても議題とすることを表明している。豪メディアのみならず、一部欧米メディアもこのことを主題として取り上げており、内外の関心の高さをうかがわせた。

◆日本側は首相同士の個人間の関係構築を図る?
 ターンブル首相の今回の訪日は日帰りで行われる。ガーディアン紙によれば、同首相の日本滞在時間は15時間だが、その間、安倍首相との会談や夕食会以外にも、貿易振興のイベント参加や視察などを精力的にこなすようだ。

 同紙によれば、ターンブル首相のスケジュールはこの2ヶ月というもの、G20サミット、APEC首脳会議、東アジアサミット、英連邦首脳会議、COP21と、国際会議でぎっしり詰まっていた。そこで、訪日は来年まで延期すべきだという提案もあったが、ターンブル首相はそれを退けたそうだ。昨年、日豪間で、首脳が毎年交互に訪問することで合意していたこともおそらく理由の一つだろう。今年は豪側が訪日する番だった。

 ガーディアン紙は、日帰りの訪問ではあるが、日本側はターンブル首相を手厚く歓待するつもりだと伝える。その狙いについて、おそらく日本側は、安倍首相がかつてアボット前首相と築いた強固な関係に匹敵する関係を、ターンブル首相との間にも結ぶことを期待している、と語っている。

 両首相は、会談や夕食会など合わせて約4時間をともに過ごす予定だが、そのうち90分を、日本側は「特別な時間」として確保しているそうだ。具体的に何をするかはまだ決まっていないそうだが、儀式ばらないものになるという。日本政府はこの90分で、政治、安全保障面で深まりつつある日豪関係を固めるのに役立つ、両首脳間の個人的関係が築かれることを期待している、と同紙は語っている。

◆対中国を念頭に、安保協力を強める日豪
 今回のターンブル首相の訪日は、首相として初の北東アジア外遊である。すなわち、中国より先に日本を訪問するということだ。国内メディアでは、ターンブル首相の姿勢を示すものとして、この点に注目している報道が多い。

 オーストラリア首相内閣省が運営する豪首相公式ウェブサイトでは、オーストラリアと日本の関係は、共通の価値観と、世界と地域への共通の見方に基づいて築かれている、高度な「特別な戦略的パートナーシップ」であるとされている。菅義偉官房長官も、16日午前の記者会見で、日本とオーストラリアは基本的価値と戦略的利益を共有する特別な関係だと語っている。

 オーストラリアにとっては、中国は最大の貿易相手国であり、日本がそれに次ぐ。中国より日本を優先したとすれば、安全保障面などで利益を共有していることが大きいだろう。

 例えばオーストラリアは、日米とともに、南シナ海の「航行の自由」を重視している。BBCが15日に報じたところによれば、オーストラリア軍はこれを確保するため、アメリカの「航行の自由」作戦に倣い、争われている島の上空にP-3哨戒機を飛行させているそうだ。オーストラリア国防省はBBCに対して、「定期的な海洋哨戒」であり、地域の安全と安定を維持するための取り組みの一環として行っていると説明している。

 首脳会談では、安全保障、防衛での連携強化が図られる見通しだ。自衛隊と豪軍の「訪問部隊地位協定」について大筋合意を目指すもようだ。これによって相手国での部隊の活動がしやすくなり、合同訓練などが行いやすくなる。

 また安倍首相は、現在オーストラリアで進められている次期潜水艦の選定をめぐって、日本の「そうりゅう」型の採用を働きかけるとみられている。

◆首脳会談で捕鯨問題への懸念を伝えることを豪首相は明言
 豪首相ウェブサイトでは、首相は安倍首相との首脳会談で、日豪関係のあらゆる面について話し合う、としている。議題に含まれるものとして、経済・貿易関係、安全保障・防衛協力、そしてそれと同列に、日本が今年南極海で捕鯨を再開すると決定したことへのオーストラリアの懸念が挙げられている。オーストラリア国内での捕鯨問題への関心の高さをうかがわせるものだ。

 豪メディアのAAP通信は、ターンブル首相は会談で、日本の捕鯨再開へのオーストラリアの「深い失望」を表明するとして、このことを中心的に報じた。

 欧米メディアでも、ブルームバーグやAFPが、捕鯨問題が議題となることを主題として報じている。オーストラリアは捕鯨計画への反対を最も強硬に主張している国の1つである、とブルームバーグは伝える。AFPが伝えるとおり、国際司法裁判所(ICJ)は2014年3月、日本の調査捕鯨は科学的調査といえず、実質的に商業捕鯨だとして、捕鯨中止を命令した。これを受けて、日本は南極海での調査捕鯨を中断していたわけだが、この裁判を2010年にICJに提訴したのがオーストラリアだった。

 また、オーストラリアは今月7日、ニュージーランドなど32ヶ国と共同で、捕鯨再開に強く反対する共同声明を発表している。

 AFPは、オーストラリア国内で、日本政府に圧力をかけるよう政府に求める声が、環境保護論者から高まっていると伝える。首相が捕鯨問題を議題とすることを表明したのは、それを受けてのことだという見方のようだ。

 一方、ガーディアン紙は、捕鯨問題が議題となるだろうが、両首相はこの訪問が、より広範囲な政治的、戦略的、経済的関係に専念したものとなることを望んでいる、と語る。首脳会談の焦点は、イノベーション、ビジネス、首相同士の関係の構築になるだろうとみている。

(田所秀徳)

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