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自衛隊観艦式が日米合同イベント化 海外が注目する第3艦隊司令官来日の意義とは

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自衛隊観艦式が日米合同イベント化 海外が注目する第3艦隊司令官来日の意義とは

 18日、海上自衛隊の観艦式が神奈川県沖の相模湾で行われ、安倍首相が観閲した。メディアでは、今年3月に就役した全長248メートルのヘリコプター搭載護衛艦「いずも」が注目を集めた。また、正式な参加ではなく、付近を航行するという形で観艦式に姿を見せた米原子力空母ロナルド・レーガンも、安倍首相が乗艦したことで大きな注目を集めた。一部米メディアは、それらをひっくるめて、まるで日米の合同イベントだったかのような見方で報じた。そこまで言わなくても、この日のイベントは海外メディアにとって、さまざまな点で日米の海洋戦略の今を象徴するものに見えたようだ。

◆「今年の観艦式は重要性が増していた」
 海自によると、観艦式は、自衛隊の最高指揮官である総理大臣が艦隊を観閲することで、「部隊(隊員等)の士気を高める」「国内外に自衛隊の精強さをアピールする」「国際親善や防衛交流を促進する」「国民の理解を深める」ことを目的としているという。陸自、空自の観閲式とローテーションで行っているため、3年ごとの開催となる。

 今年は、中国の人工島建設により南シナ海の緊張が高まっていることと、9月に安保関連法が成立したばかりというタイミングから、注目を集める観艦式となったようだ。USAトゥデイ紙は、それらの事情のために、今年の観艦式は重要性が増していた、と語る。日本は中国との間に尖閣問題を抱えているほか、人工島建設を中止せよというアメリカの要求を支持している、という背景がある。日本は安保法によって、米軍やその他友軍との連携を強化しようとしていることを伝えている。

 ロイターは、ますます主張的になる中国の軍事力と釣り合いを取るため、地域の安全保障で日本がより大きな役割を果たすべく、安倍首相は同盟国との集団的自衛権のドクトリンを追求し続けている、と語る。今回の観艦式については、安保法可決以来初となる日本の軍事装備の大規模な展示だった、と伝えている。

 ウォール・ストリート・ジャーナル紙(WSJ)は、首相が観艦式の訓示で「脅威は容易に国境を越えてくる。もはやどの国も一国のみでは対応できない時代だ」と語ったことを伝えている。韓国のほか、首相がアジアにおける重要なパートナー国とみなしているオーストラリアとインドの艦船が観艦式に参加したことを伝えている。

◆海自最大の護衛艦「いずも」と米空母ロナルド・レーガンが注目を集める
 海自最大級の艦船である「いずも」への海外メディアの注目は高かった。ロイターは、ヘリ空母「いずも」が日本の軍艦のラインアップの中心だったと語っている。「いずも」は、日本が海外で軍事活動を行う能力をいかに拡大しつつあるかを、はっきりと示す例だと語っている。海事が「いずも」を護衛艦と称しているのは、空母のような、戦争を仕掛ける手段となるものの保有を禁じた憲法に抵触しないようにするためだとの旨を解説している。

 USAトゥデイ紙は、ロナルド・レーガンと「いずも」が観艦式のハイライトだったと伝える。正式に参加していたわけではないロナルド・レーガンを先に挙げているところが特徴的だ(米海軍からは別の2艦が正式に参加している)。同紙は、日米が海軍力の展示を行ったと、あたかも2国の合同イベントのように伝えている。しかしそれも、さほど見当違いとは言えないかもしれない。

 ロナルド・レーガンは、今月、米海軍横須賀基地に配備されたばかり。同艦は2011年の東日本大震災の際、真先に対応に当たった。地震の翌々日(3月13日)には現場入りしていたそうだ。安倍首相は観艦式の訓示でこのことに触れ、ロナルド・レーガンは「東日本大震災の時、被災地に駆けつけてくれた、『トモダチ』であります。今月から、横須賀を母港に、再び日本の守りに就いてくれる。ありがとう。ようこそ日本へ。心から歓迎します」と語っている。

 USAトゥデイ紙は、同艦は最近、1年間の近代化計画を終え、現在、米海軍で最強の艦船の1つとみなされている、と伝えた。同艦が最近日本に配備されたことは、アジアをより重視するというアメリカの「リバランス」の一環だ、と解説している。

◆安倍首相が現職総理として初めて米空母に乗艦。その象徴的意義とは?
 観艦式の後、首相は海自のヘリコプターでロナルド・レーガンに渡り、乗艦した。日本の現職の総理大臣が米空母に乗艦したのは、これが初だという。国内外メディアで、観艦式より、むしろこちらに注目した記事も多かった。例えば朝鮮日報は、「中国をけん制する安倍首相、これ見よがしに米空母に乗艦」と伝えた。首相の乗艦は、中国の海洋進出を抑制すべく日米が一体となって動いていることを内外にアピールするためだ、と韓国の外交関係者が語ったという。

 WSJは、首相は安保法によってアメリカや他国との協力を強化し、中国の軍事的脅威を抑え込もうとしている、という流れを踏まえて、首相の乗艦は、広く批判された9月の安保法案可決後の象徴的な訪問である、と語っている。首相が訓示で「脅威は容易に国境を越えてくる。もはや、どの国も、一国のみでは対応できない時代」だと語ったことを伝えている。

◆米第3艦隊の司令官がこの機会に日本に来た理由とは
 首相はロナルド・レーガン艦上で米海軍第3艦隊のタイソン司令官らと面会したが、一部メディアはここにも象徴的な意味を見ている。

 米太平洋艦隊は、第3艦隊と第7艦隊とで構成されている。両艦隊は、日付変更線近辺で活動範囲が分かれていて、第3艦隊が東太平洋、第7艦隊が西太平洋地区の担当だった。ロナルド・レーガンは第7艦隊に所属する。ロイターによると、この境界線が最近廃止されたらしい。

 米海軍制服組トップのリチャードソン作戦部長が15日、都内で行った記者会見で語ったところでは、これはアジアにおける事態への対応の柔軟性、即応性を高めるための措置だという。ロイターの26日付記事によると、これまでは、第3艦隊が西太平洋で活動する場合は、通常、第7艦隊の指揮下に入っていたそうだ。

 第3艦隊のタイソン司令官が日本に来て首相と会見したことは、けして偶然ではなかった。米艦隊が地域への関与を拡大していくというしるしとして、米海軍は司令官を派遣したとロイターは伝える。米海軍が西太平洋により幅広く関与していくことをほのめかすために、観艦式という機会を利用した、というのがロイターの見方だ。

(田所秀徳)

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