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進む東南ア諸国との安保パートナー戦略:インドネシアと防衛協力も 中国に対抗

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進む東南ア諸国との安保パートナー戦略:インドネシアと防衛協力も 中国に対抗

 インドネシアのジョコ・ウィドド大統領は、22日より4日間の日程で日本を訪れ、安倍首相との首脳会談や、財界人との会談を行った。その後、26日より2日間の日程で中国へと渡った。

◆日本、そして中国という順での訪問
 昨年10月に就任したジョコ大統領にとって、東南アジア以外の外国を訪問するのは、国際会議の折を除けば、日本が最初となった。最初に中国でなく日本を訪れたということ、それ自体がメッセージだと、東南アジアの安全保障の研究者ザカリー・アブザ氏が、ドイツの公共国際放送ドイチェ・ベレ(DW)で語っている。なお安倍首相にとっても、インドネシアは、2012年12月の就任後に初めて訪問した国だった。

 安倍首相とジョコ大統領は、会談後、「海洋と民主主義に支えられた戦略的パートナーシップの更なる強化に向けて」と題した共同声明を発表した。また首相は、夕食会のあいさつでは、「共にアジアを代表する海洋国家、民主国家」というキーワードで、両国のきずなを語っている。

 外務省によると、会談において安倍首相は、南シナ海の問題について、「法の支配」に基づく対応が重要であり、ASEANのリーダーであるインドネシアの、一層積極的な関与を期待する、と述べたとされる。これに対し、ジョコ大統領は、インドネシアは、各方面に自制を求め、地域の平和に貢献していきたい、と応じている。両者の姿勢には、やや温度差がうかがえる、と日経新聞(24日)は指摘している。

◆高まる中国の圧力に、結束する周辺国
 直接言及されていないが、これらの発言の焦点には中国がある。ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)紙は、中国の近隣国の多くは、南シナ海および東シナ海の領有権問題で中国が主張を強めていることのバランスを取るために、各国間の提携を強化している、と伝える。

 DWは、中国の領有権主張の強さが、日本とインドネシアを接近させる、としている。そして、中国が主張を次第に強めていることへの反発だと広く見なされている措置として、日本とインドネシアは防衛提携を強化することで合意した、と報じた。すなわち、海洋安全保障や港湾整備などでの協力について協議する、ハイレベル会合「日本・インドネシア海洋フォーラム」を設置することなどだ。

◆日本がアジアで作り出そうとしている新たな構造とは?
 米月刊誌『コメンタリー』のウェブサイト記事は、このような状況下で、日本が取っている新たな外交政策を解説している。日本とインドネシアが、特に海洋での安全保障関係の強化を打ち出したことは、その最新の例であるという。

 それによると、中国の急速な軍事的発展と、領有権問題での高圧的な姿勢は、近隣諸国、とりわけ東南アジアの近隣諸国を不安にさせているという。比較的小さい国々は、自国の利益を守るのに、限られた選択肢しかないと気づいて、アメリカのより積極的な関与を望んでいる。しかし、それらの国の多くは、アメリカのアジアへの「軸足転換」を歓迎しつつも、そこに実質が欠けていることに失望しているという。

 このギャップを埋めようとしているのが日本だ。日本は、アメリカの代わりをするのではなく、地域の安全保障関係を再編しようとしている。その目標は、中国政府に自重させるために、事実上の反中国連合を作り出すことだ、と語っている。安倍首相が行っていることは、地域の国々に、中国政府の政策に単に従う以外の代案を提示して、日本が潜在的な安全保障パートナーだということをはっきりさせることだ、と語っている。

◆南シナ海で中立を保ちたいインドネシア。その姿勢を保つのは難しい、と識者
 とはいえ、インドネシアは、そのような日本の姿勢と、まったく軌を一にしているというわけではないようだ。WSJ紙は、ジョコ大統領はこれまでにも、中国と東南アジアの近隣国の、南シナ海での争議を調停しようと試みており、今は、対立している日本と中国を調和させようと試みている、と伝える。

 DWは、インドネシアが、地域の調停者としての役割を果たそうとしていることを伝え、それは可能なのか、と疑問を提起している。アブザ氏がそれに回答している。

 もともと、インドネシアは、南シナ海で、中国との間に明確な領有権問題がないことから、自分たちは中立な立場であると自認してきた。しかし近年、中国は領有権主張を強めている。特に、「九段線」として、南シナ海の90%の領域の権益を主張している。インドネシアの排他的経済水域(EEZ)の、豊富なガス田のある海域がそこに含まれている。

 また、中国が最近スプラトリー(南沙)諸島で埋め立てを行い、港湾施設や飛行場を建設していることについて、南シナ海での不断の巡視と天然資源開発を可能にするものだ、とアブザ氏は指摘する。これらのことが、インドネシアにとって懸念となる。アブザ氏は、日本が南シナ海で海洋巡視活動を行う可能性について、インドネシアは、ベトナムやフィリピンのように声に出して支持してはいないが、暗黙裏に歓迎していると思う、と語っている。

◆中国訪問前に、経済提携への影響を心配して、反中国的な発言を撤回?
 しかし、ジョコ大統領は、中国と表立って対立することは避けたい、というのが本音のようだ。それを濃厚ににおわせているのが、インターナショナル・ビジネス・タイムズ(IBT)の記事だ。

 まず、読売新聞(21日)によると、ジョコ大統領は、訪日直前の21日、中国が「九段線」に基づいて南シナ海の大半の領有権を主張することには、「国際法の法的根拠がない」と批判したという。IBTによると、その後、大統領は、中国訪問前の24日、東京での記者会見で、「インドネシアは争議の関係国のどこにも味方もしていない」と語った。これをIBTは、中国の不興を買わないよう、前の発言を撤回したものと捉えた。

 同記事がシンガポールの英字紙トゥデイを引用して伝えるところによると、ジョコ大統領は、南シナ海でのインドネシアの関心は、緊張を緩和させることだけだと語ったという。「もし必要ならば、わが国は良き調停者となる用意もあります。それが、私が言おうとしていたことです」と大統領は説明したという。中立的な立場であることを強くアピールしたいようだ。

(Newsphere編集部)

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