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「日本の立場アピールできる?」 政府、40年ぶりに米大学へ資金提供で戦略的情報発信

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「日本の立場アピールできる?」 政府、40年ぶりに米大学へ資金提供で戦略的情報発信

 日本政府が今年、アメリカなど海外の大学に、日本研究支援のための資金提供を行うことが、海外メディアの注目を集めた。政府は現在、「戦略的対外発信」を積極的に推進しており、外務省の関連予算も大幅に増額された。

◆海外での日本研究促進のため、資金を提供
 政府は2014年度の補正予算(外務省予算)で、米コロンビア大学に5億円を寄付すると、ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)紙が1月に報道している(補正予算は2月に成立)。コロンビア大学の日本学カリキュラムは、アメリカで最大級のものだと同紙は伝える。しかし、教授陣の層が薄くなりつつあるとの懸念があるという。たとえば、日本政治研究の第一人者として知られる同大学のジェラルド・カーティス教授が、今年退任する。カーティス氏が去った後も、氏の占めていた教授職ポストを維持し、日本への理解を促進するための予算であると外務省は位置づけている。

 またロイターによると、2015年度の外務省予算から、米マサチューセッツ工科大学(MIT)と米ジョージタウン大学に、それぞれ500万ドル(約6億円)が提供されるという。さらに、独立行政法人「国際交流基金」から、海外大学6校に、それぞれ2500万円が提供される予定だという。

 WSJ紙によると、日本政府がアメリカの大学にこのような寄付を行うのは40年以上ぶりとのことだ。1973年、日本政府は、コロンビア大学、ハーバード大学、ミシガン大学といった名門大学10校に、日本研究カリキュラムの資金として、それぞれ100万ドルを寄付したという。

◆中韓との情報戦で政府が強化中の「戦略的対外発信」の一環
 今回の取り組みについて、「安倍政権は、日本に関する歴史問題は……アメリカで正しく理解されていない、との危機感を持っており、また日本研究が廃れてしまわないよう、寄付をすることを決定しました」と財務省職員がロイターに語っている。

 ロイターは、日本では、多くの政治家と官僚が、中国と韓国の積極的な広報外交に出し抜かれていると心配している、と語る。「日本が韓国および中国との情報戦で後れを取っている、それを取り戻さなければならない、という不安があるのです」と、神戸大学の木村幹教授(政治学)がWSJ紙に語っている。

 ロイターは、この取り組みを、中国、韓国の増大する影響力に対抗するための日本の「ソフトパワー」推進の一環だと伝える。

 2015年度の外務省予算では、「戦略的対外発信」のため、約700億円が計上されている。これに2014年度補正予算の305億円を合わせれば、2014年度の当初予算からは500億円増となる(参議院レポート)。うち、およそ6500万ドル(約79億円)は、親日・知日派の学者、専門家を育成するのに充てられる、とWSJ紙は伝える。ロイターは、予算の使途として「ジャパン・ハウス」の設立も挙げている。

◆学問の自由への干渉はないのか、との懸念
 国が大学に資金提供を行うということで、学問の自由への干渉はないのか、との懸念があるようだ。昨年12月に外務省が、米教育出版社「マグロウヒル・エデュケーション」の教科書の「慰安婦」に関する記述に誤りがあるとして、同社と執筆者に修正を求めた件が尾を引いている。ロイターもWSJ紙もそれに触れている。

 ロイターの取材によると、財務省職員が、この寄付で迎えられる教授が「適切」な人物であることを確実にするため、日本の外交官が審査する、と語ったという。しかし、外務省の報道官は、政府が選任に関与することはないとして、それを否定している。また、コロンビア大学の広報担当者は、「長年にわたる大学のポリシーとして、コロンビア大学への寄付者が、教職員採用について、審査をしたり、拒否権を持つということはありません」としている。

 アメリカの教育機関に対する政府資金の注入では、中国と韓国が日本に先行している。WSJ紙は、中国の「孔子学院」が資金提供するカリキュラムは、とくに急増している、と伝える。「孔子学院」は現在、アメリカの97大学に設置されている。その拡大によって、アメリカの大学では、中国研究に関する学問的中立性と学問の自由が損なわれているかもしれない、との懸念が生じているという。

◆韓国・中央日報は日本の広報活動に、やや控えめに懸念を表明
 韓国・中央日報の記事は、ロイターの報道について触れ、大学への資金提供も、歴史を修正しようとする試みと関係があると解釈している。親韓派の米議員、マイク・ホンダ下院議員が、日本の「戦略的対外発信」について、「歴史を否定し歴史を変えることに予算を投じるならば正しくない」と語ったと伝える。ホンダ議員については、2007年に日本軍慰安婦決議案の米国下院通過を成功させた主役だ、としている。

 日本政府が、海外の日本研究に助成金を出すのは、批判する筋合いのものではないが、ホンダ議員が懸念するように、過去を消すことが目標ならば話は変わる、という旨を記事は語る。「北東アジアの過去史対立を米国に拡張させ、『金の戦争』に汚染させる」からだ、としている。

 さらに、日本に対して、「日本軍慰安婦を否定しようとして米軍捕虜虐待に広がるかもしれない」と、やぶをつついて蛇を出す結果になることを警告している。どこの国にしても公共外交は長所を知らせるものとして進むべきで、短所を消すことを追求しては議論を引き起こす、と記事は主張している。

(Newsphere編集部)

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