「竹島の日」式典に韓国激怒 「意味のない岩」巡る日韓対立に懸念の米国

 22日、島根県松江市で「竹島の日」記念式典が開催され、松本内閣府政務官が出席し「問題解決のため、全力で取り組む」という政府の意志を述べた。3年連続で高官を派遣した日本政府に、韓国政府は批判の声明を発表。ソウルの日本大使館前でも、抗議活動が相次いだ。

◆韓国政府、市民団体から批判噴出
 中央日報によれば、韓国外交部は「日本政府が独島挑発行事に政府高官をまたも出席させたのは誠に慨嘆に堪えないことだ」とし、このような行為は「日本帝国主義が韓半島(朝鮮半島)を侵奪したという歴史を否定しようとするもの」で、「国交正常化50周年を迎えて新たな韓日関係を築くという日本政府の気持ちに疑問を持たせるような歴史退行的行為」と批判した。

 ソウルの日本大使館前では、市民団体が抗議活動を展開。「日本は『竹島の日』の指定を撤回し、これを記念する行事や教科書を通じた歴史歪曲(わいきょく)の企てを直ちに中止せよ」と求めた。また、安倍総理の謝罪を要求し、汚物の入ったペットボトルを日本大使館に向かって投げ付けた男が警察に連行されるなどの事件も起きた(朝鮮日報)。

◆歴史が残した竹島問題は、安全保障上の障害
 ワシントンのケイトー研究所のシニアフェローで、米外交専門誌ナショナル・インタレストの編集協力を行うギャレン・カーペンター氏は、竹島問題は、日韓の歴史を考慮しなければ理解できないと指摘。韓国を植民地とした日本が、独島(竹島)を自国領だと主張することは、韓国側から見て、さらなる搾取的帝国的領土略奪の表れに映ると述べる。

 ウォール・ストリート・ジャーナル紙(WSJ)も、ソウルのニューパラダイム研究所のピーター・ベック氏の「意味のなさそうな岩が、韓国人のアイデンティティーと、韓国の主権の象徴の一部だ」という言葉を紹介し、竹島問題が苦々しい植民地時代に対する強烈な感情を、韓国において生じさせると説明する。

 テンプル大学日本校の現代アジア研究の専門家、ロバート・デュジャリック氏は、竹島問題で日本が「韓国から譲歩を引き出せる可能性はゼロ」と断言し、日韓の対立は、「ただ中国や北朝鮮を利するだけで、アメリカの立場も苦しくする」と危惧する(ナショナル・インタレスト)。

 カーペンター氏も、竹島問題が地域の安全保障上の障害であることを指摘。オバマ政権にとっては、日韓の和解が、中国と北朝鮮の脅威に対し有意義な日米韓の協力を促進するうえで必須である、と述べている。

◆日本では関心は薄れつつ
 WSJは、韓国とは対照的に、日本では竹島問題への関心は薄れてきていると述べる。隠岐の島に住む杉原由美子さんは、日本各地を回り、隠岐や竹島の歴史を子供達に教えているが、最近東京を訪問した際に、竹島について知っている子供達はほとんどいなかったと語った(WSJ)。

 隠岐の島でも、竹島問題について興味を持っているのは、漁業関係者が中心。日韓で話し合いが持たれることを望む人はいるが、事態の進展には皆期待薄だ。領土問題が起きてから、すでに60年以上が経過した。竹島と直接の関わりを持つ住民もわずかとなった今、人々の関心を高めることの難しさを、WSJは指摘している。

Text by NewSphere 編集部