インド・モディ首相、日本滞在を延長か “中国へのシグナル”と現地紙報道

 15日、外務省はインドのモディ首相が今月31日〜9月3日の日程で来日し、9月1日に安倍首相と会談を行うと発表した。

 海外メディアは日印首脳会談において、日本からインドに対する、民間レベルでの原発輸出や、海上自衛隊の救助飛行艇「US2」の輸出問題が取り上げられるだろうと述べるほか、以下のような点に注目している。

【訪日は30日?】
 インドの日刊紙ザ・タイムズ・オブ・インディアは、モディ首相のインド出発はインド政府の発表と異なり30日で、日本滞在が1日延びることになった、と報じている。

 モディ首相は「東京から離れたもう1つの都市」も訪れるだろう、と25日付の同紙は報じ、「訪日延長は中国に対する明確なシグナルの可能性がある」と述べる。

 というのも同紙によれば、前任のマンモハン・シン首相も2013年の訪日直前に滞在期間を延ばす決定を行ったのだが、インド政府が公式には関連性に言及しなかったものの、それは中国軍がラダクに侵入した時期だったという。

【外務・防衛協議を格上げ】
 インド紙エコノミック・タイムズは、日印両国政府がそれぞれ、外務・防衛当局による次官級対話を格上げし、閣僚級協議を創設する方向で調整に入ったと報じている。

 日本が外務・防衛閣僚級協議を行っているのは、アメリカ、ロシアほか数か国のみであり、これが実現すれば、モディ首相訪日のハイライトの1つになるだろう、と同紙は述べる。

【防衛協力協定も】
 英デイリーメール紙は、モディ首相の来日中に日印両国は、「防衛協力協定」を締結するだろうと報じている。

 覚書(MoU)の性格を帯びる本協定によって日印両国は、防衛装備品の購入や生産に関する協力の枠組みを整えることになり、やがては合同演習も可能になるだろうという。

 同紙は、中国のせいで東アジアの治安が悪化していると主張する日本政府は、集団的自衛権の行使を可能とするような平和憲法の解釈変更を行い、様々な国々との間で、アメリカを含めた三国対談を確立している、と述べる。

 一方、インドにとっての課題は、自国の利益となるようなバランスを保つことである、と同紙は見る。

 海外メディアはいずれも、訪日の数週間後にモディ首相が、中国の習国家主席を招くことになっている、と報じている。

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Text by NewSphere 編集部