国営街コン、農村お見合い…“前時代的”日本議員の少子化対策に英紙が疑問

 総務省は4日、日本の14歳以下人口が前年比16万人減の1633万人で、33年連続の減少と発表した。1950年の統計開始以来だと1300万人の減少であり、出生率は1.4前後へと半減している。

 2013年10月1日の推定総人口は1億2729万8000人。2060年には8700万人に減少し、65歳以上が人口の約40%を占めると予測されている。各紙は政府に一層の対策を迫っている。

【小池議員の「前世代的」婚活作戦】
 英テレグラフ紙は、「婚活・街コン推進議員連盟」会長の小池百合子衆院議員にスポットを当てた。しかし同紙は、小池議員の解決策は、「国営見合いパーティーや、拡大する全国の単身若者層を結婚させる半福音派的使命の一環として、オールドスタイルの結婚紹介に回帰することだ」、「昔風のロマンスが人口統計の時限爆弾を止められると信じているのは小池だけではない」と、小池議員らの政策には懐疑的なようだ。

 同連盟は七夕の日に、男女約40人ずつを集めた「お見合いパーティー」を初開催すると報じられている。また、農村の高齢女性が見合い話を持ち込むという、「前世代では一般的な方法であった」習慣を復活させようとしているという。

 なお、かつて防衛相などを務めた小池議員は、人口の安定が「国家安全保障の観点から最重要課題であると認識するようになりました」とも語っている。

【そもそも子供=結婚なのか?婚外子の方が多いフランス】
 ニューヨーク・タイムズ紙は、イギリスやフランスは子供向け社会福祉支出を日本の3倍も使っており、それで出生率改善に成功したとして、福祉支出増を求める政府パネルの勧告を報じた。

 また同紙は、日本では婚外出産がタブーとされる文化があり、実際婚外子はわずか2%しかいないと指摘した。未婚の母親は、離婚した母親に比べ、差別されているという。これに対しフランスでは非嫡出出生が、過去30年で全出産の約10分の1から半分超にまで増加している。同紙は、婚外子を増やせとは言わないが税制上の差別などは撤廃すべきだ、と求めている。

【行動する姿勢だけでも重要】
 エポック・タイムズ紙(華僑向けメディア「大紀元」)は、これらに比べると政府の取り組みに好意的なようだ。同紙は、日本の女性に仕事と育児の両立という選択肢がなく、どちらかしか選べないことを指摘してはいるが、「日本政府はこの問題をよく知っている」と述べている。

 具体的には、安倍政権は婚活サービス政策に30億円を充てているが、このいかにもわずかな予算額について、同紙は特に言及してはいない。またそうした政策自体についても、以前は個人の意思決定に介入するものとして控えられていたと解説しており、どちらかと言えば、良く決断したと評価しているように取れる。

 他にも、一部の閣僚が毎年20万人規模の移民策を支持していることや、育児休業支援、学童保育支援などの政策についても触れている。同紙は、状況は厳しいものの「日本政府が行動している」ことが見えるだけでも安心をもたらす、と結んでいる。

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Text by NewSphere 編集部