北朝鮮4度目の核実験、中国が中止を勧告 制裁強化に踏み切る可能性を海外メディア報道

 韓国国防部は19日、シンガポールで30日から来月1日まで開催されるアジア安全保障会議(第13回シャングリラ対話)中の31日に、日米との3ヶ国防衛相会談を開催すると発表した。韓国からは金寛鎮・国防部長官、アメリカからはヘーゲル国防長官、日本からは小野寺五典防衛相が出席する。会談は2009年から毎年恒例となっている。

【相変わらず日韓直接会談は無し】
 議題は調整中で、来週初めごろ確定するとされたが、各紙は米国の脅威を理由に4度目の核実験を示唆している北朝鮮が中心議題になると見ている。金寛鎮長官は今月初め、核実験準備が最終段階に入っていると警告した。また地元メディアの報道によると北朝鮮は最近、大陸間弾道ミサイルKN-08のエンジンテストを実施しているという。

 また聯合ニュースは、「日本が偵察衛星などで収集した北朝鮮の核とミサイルの情報を3ヶ国が共有する内容の了解覚書(MOU)を締結する問題も、議題になる可能性が高い」と報じている。しかし一方で、日本と韓国の対立関係も懸念している。軍事情報協定は米韓間と日米間ではすでに合意されているのに、日韓間では2012年に棚上げされているのだ。

 防衛相会談でも、金寛鎮長官とヘーゲル長官、ヘーゲル長官と小野寺防衛相は直接2国間会談を行うが、小野寺防衛相と金寛鎮長官の間では予定されていない。

【中国の不興も買う北朝鮮】
 ロイターは、中国がすでに北朝鮮に対し、複数の外交ルートを用いて核実験中止を勧告していると報じた。中国は北朝鮮に対し強硬路線に転じたわけではないが、「安定教」に憑りつかれている中国政府は眼前での揉め事を嫌っており、昨年3回目の核実験の際には北朝鮮への制裁強化に署名した、と記事は指摘する(ただし中国は、その制裁を充分に履行していないと批判されている)。専門家によると今回の核実験についても、中国は制裁強化に踏み切る可能性が高いという。

 またロイターは、26日から28日までストックホルムで、核問題や拉致問題を含めた、日朝高レベル政府協議が開催されることも報じた。

【亜州情勢は複雑怪奇】
 しかし日本と中国もまた、緊張状態にある。共同通信は日本が、やはり中国と領土紛争を抱えるベトナムやフィリピンなどに接近中であると説明する。AFPは読売を引用して、日本が石垣島や与那国島などに、自衛隊部隊やレーダーを配置しつつあると報じている。

 一方ウォール・ストリート・ジャーナル紙は、先週APEC閣僚会合の際、日本の茂木経財相と中国の高虎城・商務部長が約20分間会談し、安倍首相の靖国参拝以来の閣僚級会談となったことを報じた。11月北京で行われるAPEC首脳サミットに備えての準備かも知れないという。中国は16日、尖閣問題に関して日本を非難しつつ、両国が省エネ・環境保護の分野での実用的交流を強化することに合意したと発表。これに期待感を表明している。

「踏み絵」迫る米国 「逆切れ」する韓国 [amazon]

Text by NewSphere 編集部