日本、外国人メイドの受け入れ拡大検討 特区など移民戦略に海外紙の関心高まる

 政府は、東京圏(東京都・神奈川県・千葉県成田市)、関西圏(大阪府・京都府・兵庫県)をはじめとする全国6つの国家戦略特区で、外国人労働者の受け入れを拡大する検討を開始した。

【外国人による起業の促進】
 フォーブス誌は、現行の入国管理規制では、外国人が日本で事業を起こす場合、国内に事前にオフィスを確保する等の困難な条件が課されると述べる。

 政府が現在検討中の案では、特区で起業する外国人を対象にした新たな在留資格を作り、創業後の事業計画などを提出することで、数年間在留できるようにするという。日本人が起こしたベンチャー企業で働く場合も、在留資格緩和の対象とする。

【外国人家政婦も受け入れへ】
 また、フォーブス誌によれば、現行制度は研究者や専門性の高い技術者を「高度人材」と定めて受け入れているが、これに該当しない人は「単純労働者」となり、原則的に日本で働くことができないという。

 このため政府案は、不足が深刻化している建設労働者のほか、「単純労働者」と見なされ入国できない家政婦も、特区で認め、共働きを促進する。

 ブルームバーグによれば、政府の産業競争力会議の雇用・人材分科会は外国人家政婦の導入について、「国家戦略特区で先行実施し、どの程度の需要があるかを見極めた上で拡大の検討を行うべきだ」と提言している。

【大前研一氏の提言】
 14日のフォーブス誌は、大前研一氏が月刊誌『SAPIO』に寄稿した、3段階から成る大胆な移民受け入れ策を紹介している。

 第1段階として、世界でも最も革新的で価値を生み出している人々を毎年1000人呼び込む。モデルはアメリカのシリコンバレーだがITには限定せず、例えば医学者や健康科学者、あるいは環境に優しい製品の研究者も対象とする。

 この人々には最高度にインフラが整備された都市に住んでもらうが、それらの都市は地理的に集中していることが重要で、政府の進める6つの特区では分散し過ぎだという。

 第2段階は、不足が見込まれる医師、看護師、老人介護者、法律家、消防士が対象で、年間10万人を募集する。

 最後の第3段階では、「常勤雇用の労働者」を募集する。重要だがハードな建設労働や漁業に従事してもらい、年間30万人の移民を受け入れる。2年間の語学研修等を義務付け、永住ビザを与えるという。

 フォーブスの論説員は、“貴重な若者に老人の介護をさせるのは無駄”という大前氏の見解には、ある程度の説得力があるが、特に第3段階が政策として採用されれば困惑するだろうと述べる。安倍政権の慎重なアプローチの方を支持したいとコメントしている。

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Text by NewSphere 編集部