アベノミクスの「成長戦略」に、海外紙が提言 その内容とは?

 16日、今年第1四半期の日本のGDPが0.9%増(年率3.5%増)と発表された事を受けて、海外紙は安倍政権の大胆な経済政策に注目している。
 ニューヨーク・タイムズ紙は、高齢化問題などが不安要素ではあるものの、バブル時代の勢いが取り戻される兆候があると報じた。「日本で起こっていることは革命的です」「日本に再びスイッチが入ったかのようです」などとのトレーダーらの評価も伝えている。
 IMFのラガルド専務理事などは、日本の債務比率の高さを危惧しているが、債権者が自国民中心であり、債権も円建てのため、ギリシャなどのような問題にはならないという。

 こうした中、安倍首相は17日、成長戦略について演説した。そのポイントは下記の通りである。

・民間投資を加速させる成長戦略(医療、食、宇宙、防災、エコ都市「インフラ輸出」の3倍増)
・イノベーション応用をリードする日本(規制改革による企業の新技術導入支援)
・民間投資拡大(税、予算、金融、規制改革、規制システムによる総合的対策)
・勝てる農業
・「クールジャパン」戦略(ビザ要件緩和などで外国人観光客増加)
・世界に冠たる大学改革(外国人講師や研究者の招聘、投資規制緩和)

【日本はどこがダメなの?・・・政治だよ】
 フォーブス誌は先週早稲田大学での、カリフォルニア大学サンディエゴ校の日本政治学教授エリス・クラウス氏の、「日本はどこがダメなの?・・・政治だよ」と題する公開講座を紹介した。
 クラウス氏は、国政選挙から地方選まで、システムの異なる選挙が頻繁に行われ過ぎることが、国会の「ねじれ」を招き、政治の停滞につながっていると指摘。
 前述の演説についても、安倍首相が7月の参院選に全力を投じているあらわれとみているようだ。
 また首相は、過半数ではなく、憲法改正に必要な3分の2を目指しているとも述べている。

【今の勢いを改革に利用せよ】
 ウォール・ストリート・ジャーナル紙は、金融緩和の効果とは往々にして一時的なものであり、安倍政権は今のうちの勢いを利用して、各種の自由化改革断行に踏み切れと提言する。
 同紙が主張する「数十年にわたって日本の改革の議題であったこと」は、

・労働市場(正社員解雇の自由化による生産性向上)
・小売産業(立地規制などの廃止による生産性向上)
・土地利用と建設(用地や建設業者の大規模化などによる市場活性化、効率化)
・医療(薬漬け医療を促進する制度の見直し)
・農業(小規模高齢農家を補助金で守っても無意味)
となっている。

 同紙は、このチャンスに経済改革を断行できれば、台頭する中国へ対抗し、日本の国家の威信と活力を取り戻すという、安倍首相の目標を達成できるとみている。
 また日本だけでなく、自由主義の各国は利益を得るとも主張している。

Text by NewSphere 編集部