アメリカ大統領選終盤―ハリケーンの影響薄れ、激戦再び―

 アメリカ大統領選は11月6日の投票日まで数日と迫り、大接戦となっている。オバマ大統領は遊説を休止し、大型ハリケーン「サンディ」が襲ったニュージャージー州の被災地を同州のクリスティー知事とともに視察した。オバマ氏の痛烈な批判者として知られるクリスティー知事だが、今回の大統領の即座の対応を称賛した。
 1日から、オバマ氏も遊説を再開する。両陣営ともオハイオ州を主戦場に追い込みに懸命なことなどが報じられている。

Financial Timesの報道姿勢―ハリケーンの影響に注目―
 大統領選の大詰めで、両候補は激戦州へ駆け込む。オバマ陣営は「ロムニーの勢いは頭打ち」とする一方、ロムニー陣営は民主党が優勢とされる州にまで地上戦を拡大していると報じた。また、共和党クリスティー知事のオバマ称賛は驚きだが、同知事は数億ドルかかる清掃作業などの費用を連邦政府の資金援助に頼らなければならないことを背景として指摘した。

The New York Timesの報道姿勢―ロムニー候補の「穏やかな」変化に注目―
 選挙戦も大詰めとなると候補者たちは大なり小なり変化するとし、ロムニー候補が以前より温厚になったと報じた。2つの大きな変更点として、「個人的なことを述べ」、そして民主党など「相手を愛する」ようになったと分析した。ロムニー候補は1日に何度もダウン症児を抱えた身内の話をし、「民主党もアメリカを愛している」と発言した。もちろん一貫した主張もあるが、この変化は若い不法移民や大学生の奨学金などの彼の見解について、信憑性に疑問が残ると指摘した。

The Wall Street Journalの報道姿勢―オハイオ州での激戦に注目―
 サンディの影響が少なくなり、オバマ大統領の自動車救済は米国より中国に利益をもたらすというロムニー候補の考えについて対立していると報じた。
 オバマ氏は31日のオハイオ州での遊説をキャンセルした。「選挙日が迫る中、遊説をしないのはマイナスだが、この休止はロムニーにとって有害だ。国が嵐に焦点を当てているため、彼の選挙活動の促進に問題がある」というオバマ側のコメントを掲載した。今回の災害救援はオバマ側が超党派の支持を得る可能性があるとみている。

Text by NewSphere 編集部