SNSの利用法、交流から情報収集に変化? ユーザーの伸び鈍化、利用時間は減少傾向

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SNSの利用法、交流から情報収集に変化? ユーザーの伸び鈍化、利用時間は減少傾向

 質問です。最近、あなたのSNSに使う時間は増えましたか、減りましたか、あるいは変わりませんか?

 Facebook、Twitter、そしてLINEなどSNSはすっかり私たちの日常生活の中に定着した。スマートフォンを持っていれば、通勤途中でニュースや天気予報を見る一方で、SNSの友人たちの新しい投稿に目を通し、必要があれば「いいね!」を返したりしている。気づけば電車の中で読んでおくべき報告書が読み切れなかったり、前の夜は眠ろうと思った時間を30分ほど超過したりと、SNSに費やしている時間は意外と長く、人によっては不要論もあるくらいだ。

◆まだ増えている米国のSNSユーザー
 日本のSNSの利用実態に触れる前に、SNSの母国といえる米国の状況を見てみよう。Pew Research Centerが今年1月に公表したアメリカのSNSの利用者率は69%(2016年11月)で、実に10人中7人が何かしらのSNSを使っている。2015年7月の調査時は65%だったので4ポイント増加した。2005年の調査開始からほぼ一貫して利用者を増やしている。米国でもっとも利用されているのはFacebookで68%、Instagramが28%、Pinterest(写真中心のSNS)26%、LinkedIn25%、Twitter21%と続き、どのメディアも利用者率は増えている。

 年代別では、もっとも高いのが18~29歳で86%。10代から40代未満はここ1、2年伸び率が鈍化し、50代~60代前半が利用者率を高めている。インターネットもSNSも成熟している米国でもこの状況ならば、各国のSNSユーザーもまだ増加中と見ることができるだろう。

◆SNSの利用時間は減少?気になるデータも
 WEBサイトのアクセスのトラフィックやモバイルアプリケーションソフトの活用データなどの収集分析結果を提供しているSimilarWebによると、2015年と2016年の第一四半期を比較すると、FacebookやSnapchat、Instagram、Twitterなど4大SNSの利用時間が、米国やイギリスをはじめ、主要な国で減少しているという。

 もちろん、減少の継続性については今後の推移を見る必要がある。ただ米国の例のようにあまり熱心にSNSをしないかもしれない中高年層が増えることで、全体の利用時間の平均を押し下げていることはありうる。またどんなサービスでもいつかは飽きる。普及期は熱心なユーザーが盛んに利用するので必然的に長時間になっても不思議ではない。そんな人たちは、すでに次のサービスに食指を動かしているのかもしれない。

◆日本でのSNSの状況は?
 総務省・情報通信政策研究所が毎年実施している調査によると、過去4回の調査のうち、2015年の秋の調査時点で「ソーシャルメディア」(SNSを含む)の利用者率は全年代の平均で30.5%、前年より2.2ポイントの増加となったが、その伸び率は過去より緩やかになっている。休日は31.7%で2ポイント増えたが平日と同様に鈍化の傾向だ。

 平日の「ソーシャルメディア」(SNS)の利用者の1日当たりの平均時間は64.2分で前年より6分ほど減少した。一方、休日は91.3分で前年より2分ほどの増加。年代別でもこの傾向は大きな違いはなく、利用時間が30代のおよそ2倍で107.9分が平均という10代でも平日は減少している。

 JTB総合研究所が昨年11月にスマートフォンの利用について調査した結果を公表したが、その内容が興味深い。スマートフォンでのSNSは、どの年代でも2015年から2016年にかけて「よく利用する」の回答が減少している。用途では「昔の知り合いとSNSで交流するようになった」の回答が、2014年の21.3%から2016年は15.2%まで下降、反面「SNSは見るだけで投稿しない」は29.6%から32.5%へ増加している。

 一方、「ニュースアプリの利用」は13.5%から20.6%に、「SNSで知った情報で購入した」は9.6%から14.0%に増えた。同研究所ではSNSは「交流ツールから情報ツールへ変化している可能性もある」としている。おそらく以前のようにSNSの友達を一生懸命に増やし、投稿したりリアクションしたりする使い方はだいぶ落ち着いたと見ることができるだろう。

 さて冒頭の質問に戻って、あなたのSNSに費やす時間は増えたのか減ったのかだが、「最近ちょっと疲れた・飽きた」というのなら、それはSNSの現状に合ったごく普通の感想なのかもしれない。SNSが提供するサービスも、また新しいものに変化していく時期なのだろう。

(沢 葦夫)

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