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東京五輪エンブレム盗作疑惑 「偶然」「Lに見える」「桜版より良い」米サイトで話題

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東京五輪エンブレム盗作疑惑 「偶然」「Lに見える」「桜版より良い」米サイトで話題

 先週発表された2020東京オリンピックのエンブレムが、ベルギーの劇場のロゴマークと酷似しているとされる問題で、劇場ロゴを制作したデザイナーが、IOC(国際オリンピック委員会)にエンブレムの使用中止を求める方針を明らかにした。現地ベルギーメディアもこの問題を大きく報じているほか、APなどの国際メディアも取り上げている。

 一方、次期リオ・デ・ジャネイロ五輪のエンブレムを巡っても、盗作問題が起きている。3人の人物が手を取り合って輪になっているデザインが、米コロラド州の慈善団体のロゴにそっくりだと指摘されている。この団体も、IOCにロゴの使用中止を求めている。

◆「使用をやめなければ訴える」
 東京五輪エンブレムのロゴデザインは、「Tokyo」「Tomorrow」「Team」の頭文字「T」などを表す黒(濃い灰色)の太い縦線、金銀の扇状のパーツ、日の丸状の赤い円で構成されている。このロゴの下に「TOKYO 2020」の文字と五輪マークを置いてエンブレム全体を構成している。これが、ベルギー東部リエージュにある『Theatre de Liege』の「T」と「L」を図形化したロゴや使用フォントと酷似しているという指摘が、エンブレム発表直後から国内のSNSや匿名掲示板にあがっていた。

『Theatre de Liege』のロゴは、ベルギー人デザイナーのオリビエ・ドビ氏が2013年に作った。ドビ氏自身も東京五輪エンブレムの発表から間もなく、Facebookページに2つのデザインの画像を並べ、オリンピックエンブレムを目にした際の「驚き」を表明した(AP)。その後、地元テレビに「弁護士と対応を協議中」だとコメントを寄せていたが、弁護士がこのほど、31日中にもIOCにエンブレムの使用中止を求める書類を送ることに決めたと日本メディアなどに語った。弁護士はテレビ朝日の取材に対し、「テレビやインターネットなどすべての媒体での使用禁止を望んでいる」と述べ、使用をやめない場合は、ベルギーの裁判所に訴える用意があるとしている。

 また、インターネット上では、東京五輪エンブレムのロゴの配色やパーツの形状が、スペインのデザインスタジオが制作したスマートフォン用の壁紙のデザインにも酷似しているという指摘も出ている。バルセロナの『ヘイ・スタジオ』が、2011年に東日本大震災の寄付金を募るためにネット上に公開したものだ。同スタジオの担当者は、朝日新聞の取材に対し、「偶然の一致ではないか」としつつも、「(五輪のエンブレムという)重要な案件に、インスピレーションを与えたとしたら誇りに思う」と答えた。こちらは、使用中止を求めたり、法的な措置を取るつもりはないという。

 IOCと大会組織委員会は、法務上の問題は全てクリアしており、使用に問題はないとしている。東京五輪エンブレムの作者、佐野研二郎氏はコメントを控えている。また、自身の会社のHPを一時閉鎖、TwitterとFacebookアカウントも削除したようだ。

◆「偶然」「“L”の存在に疑問」「醜いデザイン」
 ドビ氏自身は「どんなケースであっても『盗作』といえる何らかの偶然が重なることもあるが、(今は)世界のどこにあるものも手に入る時代、疑問を抱かざるを得ない」とコメントしている(テレビ朝日)。

「盗作」か「偶然」か。一般のネットユーザーの声は割れている。日本のサブカルチャーファンが集まる米ゲーム系サイト『Kotaku』も、この問題を取り上げた記事を掲載。多くの読者コメントが寄せられている。ここでは、デザイン業界に近い人ほど「偶然」と見る傾向が強かった。

・現役のグラフィック・デザイナーとして言うが、事前に知らなくても、既存のデザインに似たデザインがいとも簡単に出来上がってしまうことに皆驚くに違いない。私はこれを完全に偶然と見る。なぜなら、私もこれらのロゴに似たものを過去に描いたことがあるからだ。
・同じプロとして偶然を防ぐのは難しいことには同意する。しかし、(類似デザインがないか)googleの画像検索をするくらいのことは、倫理上の最低限の責任だ。

 誘致活動の際に使った“桜の花輪”のロゴを使ったカラフルなエンブレムを「そのまま継続使用した方が良かった」というコメントもあった。日本のネット上でも同様の意見が多いが、これに対しては、以下のような否定的なリプライが寄せられている。

・90年代後半の臭いがする。
・この方がずっと良いが、露骨すぎるかな?
・ビジュアル的にうるさい。複雑すぎ。多すぎる要素がお互いを打ち消し合っている。これを採用しなかった理由がよく分かる。
・シンプルな古い着物の模様こそが全てだ。

「盗作」と見る意見では、東京五輪に関係のない、「元ネタ」のリエージュ(Liege)の「L」が残っているのが証拠だとする意見が目立った。また、盗作かどうかという以前に、デザインそのものが良くないという意見も多かった。

・アーティストの説明がどうであろうと、英語圏の者から見ればLにしか見えない。
・なぜLを入れたの?誰かが劇場のロゴを見て気に入り、意味も分からずにコピーしたのだと思う。
・このロゴは醜悪だ。“トップデザイナー”が作ったというが、悲しくなる。
・全く醜い。日本はデザインの伝統があるのになぜこれが選ばれたのか理解に苦しむ。

◆リオ五輪の「盗作疑惑」もほぼ同じ展開に
 エンブレムにケチがついているのは、東京五輪だけではない。来年の2016リオ・デ・ジャネイロ五輪のマークにも盗作疑惑が持ち上がり、当事者がIOCに抗議する事態となっている。

 盗作されたと主張しているのは、アメリカ・コロラド州テルライドの慈善団体、『テルライド財団』だ。同財団が2000年に商標登録したロゴは、緑、黄、青、赤の4人の人物が手を取り合って輪になっている様子をデザイン化したもの。リオ五輪のエンブレムのロゴは、似たような雰囲気でデザイン化された緑、青、黄の3人が手を取り合っている。地元紙『デンバー・ポスト』によれば、リオの組織委員会がエンブレムを発表した直後の2011年の正月明けに、目ざとく類似性を見つけたブラジルメディアから同財団に取材が殺到したのが騒動のきっかけだという。

『テルライド財団』は、2004年にも、ブラジル・サルバドールのカーニバルのロゴマークが自分たちのロゴに酷似していると、サルバドール市に抗議の手紙を送っている。この際は返事が来なかったという。今回の五輪でも、財団はIOCに使用を控えるよう手紙を送っているが、同財団のエグゼクティブ・ディレクターは『デンバー・ポスト』に対し、「無視されている。『あっちへ行け』といわんばかりだ」と憤慨している。一方、リオ五輪のエンブレムを作成したデザイン会社の責任者は「人々が手を取り合うデザインは、アンリ・マチスの『ダンス』に代表されるように珍しいものではない。古くから引用されるモチーフであり、集団的無意識による偶然だ」と述べている。いずれの当事者の対応も、東京五輪のケースとよく似ているようだ。

(内村浩介)

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