「私でいいのかな…」ミスユニ日本代表・ハーフ女性の言葉に潜む日本の問題 海外注目

 「2015ミス・ユニバース」日本代表に、長崎県出身の宮本エリアナさん(20)が選ばれた。日本人の母とアフリカ系アメリカ人の父を持つ宮本さんは、代表選出後に「ハーフの私でいいのかなという不安もあった」とコメント。同質を求める日本社会を背景にしたこの一言について、移民導入を絡めて考察する。

◆日本的とは何か?
 『Kotaku』のオーストラリア版で、このニュースを取り上げたブライアン・アシュクラフト氏は、宮本さんが選ばれたことは日本の変化を示すとしつつも、より「日本的」代表を選びたかった人達にとっては、残念な結果だったと述べている。

 代表選考後、ネット上には、「日本代表だからハーフはダメ」、顔立ちが「外人すぎ」、「純日本人」の美しさを求めたい、等の批判の声が挙がったという。宮本さん自身も、会見でハーフであることの不安を語ったが、外見は「日本人に見える」ことはなくても、長崎で生まれ育った自分には内面に多くの日本人らしさがあると説明。アシュクラフト氏は、そもそも日本国民であるのは明らかなのに、そのような説明を彼女がしなければならなかったことに疑問を投げかけた。

 同氏は、同質に慣れた日本人には、部外者にされるマイノリティの気持ちが分からないと指摘。さらに、もともと7世紀から日本人と中国、韓国人の間での婚姻があったため、「純日本人」という言葉自体が曖昧であると述べ、現代においても、年間2万人の混血の赤ちゃんが日本で生まれていると説明する。日本で生まれ育ち、母国語として日本語を話す子供達は日本人であり、環境が文化を育て、文化がそのアイデンティティ、つまり自分は誰なのかを決めるものなのだという同氏は、宮本さんには日本を代表し、ベストを尽くしてもらいたいと激励している。

◆マイノリティは社会を活性化
 米バージニア州の日刊紙ザ・フリーランス・スターのサイトに掲載された、「多様性がアメリカの未来の鍵」と題された記事の中で、ブルッキングス研究所のシニアフェロー、ウィリアム・フレイ氏は、移民およびその子孫の増加を背景に、アメリカでの異人種間での結婚が史上最高に達したと述べ、白人がマイノリティとなる州が、今後16年間で12州に達するだろうと述べる。

 同氏は、実は日本と同様、アメリカでも白人を中心に少子高齢化が進んでいるが、移民とアメリカ生まれのマイノリティがそれを補い、アメリカ社会を若返らせ競争力を高めてくれると論じる。ただし、ベビーブーマーから上の世代は、移民が少なくマイノリティとの接触があまりなかった時代に育っており、人種的多様性を恐れる人が多いという。移民やその子孫をアメリカ社会に融合させ、活力ある国にするためには、白人人口の中で唯一増え続け、選挙権を有する高年齢層が持つ、多様化という未知のものへの恐怖に立ち向かう必要があると同氏は述べており、日本の移民受け入れにおいても、参考にすべき意見だと言えそうだ。

◆移民を日本のメンバーに
 イギリスBBCは、日本の少子高齢化には移民受け入れが解決策に思えるとしながらも、国内では支持されていないと述べる。いまやサービス産業では欠かせないアルバイトの留学生にさえも、客から「なぜまともな日本語の話せないウェイターを使うのか」、「なぜ中国人を雇うのか」と苦情が出るのが日本の実情であり、安倍首相は外国人労働者受け入れに前向きだが、数年で帰国することを求めていると述べる。

 深刻な人口減少への対処を求める移民政策研究所の坂中英徳所長は、「日本は今後50年間に1000万人の移民が必要で、日本社会の新メンバーとして彼らを迎えねばならない」とBBCに話す。みずほインターナショナルの竹下誠二郎氏も、「ヨーロッパの多文化主義の失敗」が社会問題化したことを考えれば、「同質なグループのイデオロギー」を傷つけないようにすることが必要と述べつつ、「日本は過剰に移民導入には保守的で、規制改革が必要」と指摘した(BBC)。

 少子高齢化対策は、待ったなしの急務。未来のため、「日本的」な日本にも変革が求められている。

Text by NewSphere 編集部