「はやぶさ2」打ち上げ成功 生命の起源に迫る“野心に満ちたミッション”に世界が注目

 「はやぶさ2」を搭載したH-IIAロケット26号機の打ち上げに12月3日(水)13時22分04秒 (日本時間)、成功、種子島宇宙センターから宇宙へと飛び立った。悪天候による2度の延期を経ての打ち上げに海外メディアも注目、成功を報道している。

◆「はやぶさ2」のミッション 
 「はやぶさ2」のミッションを米NBCニュースは「野心に満ちたミッション」と紹介している。「はやぶさ2」は、2003年に打ち上げられ、数々のトラブルを乗り越え2010年6月3日に地球に帰還を果たした「はやぶさ」の後継機である。「はやぶさ」は小惑星「イトカワ」をめざし、サンプルを持ち帰ることにも成功したが、残念ながらサンプル量が期待されたほどではなかった。

 今回の「はやぶさ2」が目指すのは「1999JU3」と名付けられた小惑星である。米宇宙情報サイト『NASASpaceflight.com』によると、軌道は金星と火星の間にあり、炭素が豊富なC型小惑星。地球の軌道と交差し、公転周期は1.3年。直径は約1キロ。この惑星が興味深いのは、地球上の生命誕生に大きく関係のある有機物を含むと考えられているためである。この惑星のサンプル採集に成功すれば、生命の起源を明らかにできる可能性があるとして、科学者たちの注目を集めている(英ガーディアン紙)。

 「はやぶさ2」は2018年に惑星に到着、18カ月間のミッションを行い2020年・東京オリンピックの年にサンプルを地球に持ち帰る予定である。

◆「はやぶさ2」のメカニズム
 「はやぶさ2」ははやぶさと同型で、改良を加えたものである。「1999JU3」に到着後、惑星の地図を作製、爆弾を爆破させクレーターを作成、破片を採集する予定である。詳しいメカニズムは『NASASpaceflight.com』が次のように紹介している。

 「はやぶさ2」はソーラーパネルから推進力のパワーを作り出すイオンエンジンを搭載。2枚のアンテナで地球と交信する。惑星着陸を助けるため、5つのターゲットマーカーを搭載、着陸前に惑星表面におろし、これを目印に着陸する。

 ミネルバ(着地探査ローバー)の搭載は、はやぶさの1基から3基に増加された。ドイツ製のMASCOTが惑星表面に着陸、赤外線カメラなどで表面の状態の測定を行う。SCIと名付けた衝突装置からHMX(爆薬)を高速で惑星に衝突させ、爆発させる。この衝撃でできたクレーターを観測する。また、DCAMという衝突時の様子を観測する分離カメラも搭載されている。

 また、宇宙航空研究開発機構(JAXA)は小惑星探査機「はやぶさ2」の打ち上げの際に相乗りする小型副ペイロードの一つとして、多摩美術大学と東京大学が共同で開発を進めた「深宇宙彫刻 DESPATCH(デスパッチ)」と九州工業大学が提案した「しんえん2」を選定していた。これらも打ち上げ時に「はやぶさ2」が正常に分離されたのち、次々と切り離された。

 人々の夢を乗せた「はやぶさ2」が無事に地球に帰還、ミッションを果たすことを期待したい。

Text by NewSphere 編集部