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会社と戦った“サラリーマン” 中村教授のノーベル物理学賞受賞に米紙注目

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会社と戦った“サラリーマン” 中村教授のノーベル物理学賞受賞に米紙注目

 今年のノーベル物理学賞は、青色発光ダイオード(LED)を発明した、名城大学の赤崎勇教授、名古屋大学の天野浩教授、カリフォルニア大学の中村修二教授の3人が受賞した。このうち中村氏は現在アメリカ国籍を持つ。

 賞金800万スウェーデンクローナ(約1億2000万円)を分け合うことになる3人は、10日にストックホルムで行われる授賞式に出席する予定だ。

◆青色LEDの発明でLED灯が広く普及
 赤色と緑色のLEDは1960年代に既に作られていた。しかし、青色のLEDはなく、日常生活で多用される白色の光を作り出すことが不可能だった。

 鍵となったのは、窒化ガリウムだ。窒化ガリウムを光源として使用するためには高品質の窒化ガリウム結晶を生成する必要があった。赤崎氏と天野氏(当時修士課程の学生)は、低温で焼成するという問題解決の方向を示した。

 一方中村氏は、会社員だった時代に、窒化ガリウムの結晶をサファイアの基板に均一に薄く成長させる技術を編み出し、きれいな結晶の量産を可能にした。産業応用への道を拓く画期的成功だった。ブルーレイディスクもこれらの技術を発展させたものだ。

 今回の受賞は、これまでにないものを発見した、というよりは、それを作り上げたことを評価した(ニューヨーク・タイムズ紙)、と選考委員会は説明している。

◆会社に内緒で進めた研究
 中村氏が青色LEDを発明したのは、徳島県に本社を置く日亜化学工業の社員(20年間勤務)だった時だ。ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)紙のインタビュー(2004年)では、会社のために献身する、典型的な日本のサラリーマンだったと話している。

 青色LEDの発明は、会社に大きな利益を与えたが、中村氏が受け取った評価は、社員報酬2万円だった。

 2万円の報奨金がその働きに比べいかに少ない額であるか、海外研究者との交流で気づいた、と同氏は話した。「アメリカの研究者たちは、大抵、数千万、あるいは、数十億円が(会社から)支払われたんだろうと訊いてきた」「月給の額を話すと、彼らは僕を”奴隷の中村”と呼んだよ」(WSJ)

 1999年、渡米しカリフォルニア大学に就職。2001年、日亜を相手取って、製法の特許譲渡による対価を同社に求める訴訟を起こした。2004年、東京地方裁判所は、日亜が中村氏の発明で10億ドル以上の利益を得ているとし、200億円の支払いを命じた。しかし、日亜側は控訴。2005年、8億4000万円を中村氏に支払うことでやっと和解した。

 日亜の広報担当者は7日、中村氏の受賞を受け、同社で行われた研究の成果がノーベル賞を得たことは誇らしいと述べた。また、長年に及んだ同氏との裁判について特に言及はしなかったが、青色LEDの発明は個人によるものではなく、「日亜とその従業員たちの努力によるものだ」と述べた(WSJ)。

◆世界のエネルギー消費削減に貢献
 受賞者の選考を行うスウェーデン王立科学アカデミーは発表の中で、賞が人類の利益となる事に関して与えられるようにという、創設者アルフレッド・ノーベルの意志を想起したという。

 世界の電力の4分の1は、明かりを生むために使われている。この数字を踏まえ、英国物理学会のフランシス・サンダース会長は、青色LEDの発明について、「最大規模で直接的なインパクトを与える物理研究だ。環境保護を促進し、同様に日常的な電気製品に利用できる」(ニューヨーク・タイムズ紙)と高く評価している。

 エネルギー消費という点では、同量のエネルギーで、LED灯は蛍光灯の4倍の明るさがある。白熱球と比べると約20倍。耐久年数は、蛍光灯の10倍、白熱球の100倍だという。

 アカデミーは、「LED灯は、電力が行き渡っていない世界中の15億人を超える人々に、彼らの生活の質を向上させるという大いなる約束を叶えるものだ」とその影響の大きさを指摘した。「電力消費が少ないため、地方の安価な設備の太陽光発電で、電力をまかなえる」(ニューヨーク・タイムズ紙)既にアフリカでは、多くのLED灯がその恩恵をもたらしているそうだ。

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(Newsphere編集部)

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