東京、2030年まで「世界一の大都市圏」と国連予想 デリー・上海を上回る

 国連による「世界大都市ランキング」が10日、発表された。

 現在、世界人口の54%(39億人)が都市部に在住し、2050年には66%となる見込みであるという。また人口1000万人以上の「メガ大都市圏」は、1990年の調査開始時には10ヶ所だったが、現在は28ヶ所あり、2030年には41ヶ所になる見込みだという。

【人口減少でもトップの東京】
 人口1000万人以上の「メガ大都市圏」28ヶ所のトップに君臨するのは、東京だ。横浜や千葉などを含むメガ大都市圏・東京の人口は約3800万人で、1990年の調査開始以来ずっとトップを保っているという。続いてインドのデリーが約2500万人、上海約2300万人、メキシコシティ、ムンバイ、サンパウロがそれぞれ約2100万人だ。

 日本は人口が減少していることから東京都市圏の人口も減っていくと予測されるが、それでも2030年まではトップの座を保つと見込まれている。2030年東京圏の予測人口は3700万人で、その頃には、デリーが僅差で迫ると見られているそうだ。

 神戸などを含む近畿大都市圏としての大阪は、1990年時点では東京に次ぐ世界2位だったが、今回は7位で、2030年には13位へと下がると予測されている。

【都市化加速地帯の課題】
 従来、都市化は先進国で起こるものだったが、今は国民総所得1人あたり1046ドル〜4125ドル程度の比較的中規模所得国で都市化が加速している、という結果がでている。

 メガ大都市圏の規模が拡大する一方、現在39億人いる都市在住者の多くは、比較的小規模の都市(人口50万人以下)に割合が多いという。人口集中のスピードが最も速いのは中規模の都市(人口100万人以下)で、その多くはアジアとアフリカにあるそうだ。

 この点について国連が「都市化に際しての注意点」を挙げていることに、英ガーディアン紙が注目している。それによると「都市化は、よい良い収入、雇用機会、ライフラインや交通機関などのインフラ、情報伝達手段が平等に行き渡るよう手配する必要がある。貧困街に住む人を減らし、環境保全に配慮しなければならない。よく管理された都市とは、経済発展の機会を生み出し、医療や教育が多くの人々の手にきちんと届くものとなっているべきだ」ということで、こうした点が「アジアやアフリカにとって大きなチャレンジとなるだろう」と同紙は述べている。

【中小規模都市への配慮が要】
 このような地域において、社会的および環境的に後悔を残すような事態になることなく都市化を進めるには、メガ大都市圏だけに注目しすぎないことが大事だ、とニューヨーク・タイムズ紙は指摘する。

 中小規模都市の人口加速は特に中国で多く、10〜20年前までは「村」だったような小規模都市において最も加速度が高いという。こうした地域で、メガ大都市の発展モデルを事例に当てはめるのは無理がある、とエール大学のカレン・セト教授は語っている。

 国連によると、都市化は政府にとって住宅やインフラなどを整備するチャンスだという。結果的には、住人が各地に散在しているよりは1ヶ所に集中している方が、水道光熱や交通機関の提供が安く済み、環境にも影響が少ないとの報告が出ているという。

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Text by NewSphere 編集部