メトロポスターは逆効果? フランス人が驚いた理由とは

 街中の至る所に貼られたマナー喚起のポスターが、来日した外国人たちの話題になっている。日本人にとって「常識」が説かれ、ともすると気に留めず過ぎてしまいそうなマナーポスターに、なぜ外国人はこんなにも反応するのか。どうやらこれには、外国人が持つ日本へのイメージが関係しているようだ。

【一部のマナー違反者へのメッセージ?】
 米ニュースサイト「ザ・ヴァージ」は、日本人は礼儀正しい国民として知られているものの、すべての人がルールを守るわけではないようだ、と伝える。他国では見られないほど混雑した公共交通網の中、大音量で音楽を聴いたり、化粧をしたり、優先席に座ったりするマナー違反者に対して、啓蒙のためポスターは手がけられたと解説する。規律を守る国民性にもかかわらず、マナーポスターがあふれていることを意外に感じるようだ。

【ブロガーからはギャップを指摘する声も】
 マナーポスターを通して、日本のイメージと実際のギャップを指摘する外国人は多い。あるフランス人男性は自身のブログで、日本人はとても穏やかだが、発車間際の地下鉄に出くわすと野蛮人のように駆け込む、と電車を前にした時の豹変ぶりを伝える。

 さらに、傘でのゴルフの素振りをやめよう、というポスターに対し、日本は至る所にゴルフ練習場があり、ビルの屋上や住宅街にもあると指摘。多くの日本人は仕事の後などにゴルフの打ちっぱなしに行き、中には傘で素振りをしている人もいるとつづり、日本特有の光景を紹介している。

 フランス人女性もブログで、マナーポスターと日本人の性格について触れる。パリジャンに比べれば、東京の人は礼儀正しさの天使だと紹介。

 しかし、街中にあふれるマナーポスターは、東京がいかに礼儀を知らない粗野な人間であふれていて、交差点ごとに啓蒙しなければならない街かと思わせる、と驚きをあらわにしている。もしこれらの注意書きを1秒でも止めたら、完全な無秩序状態になってしまうかのような印象を与える、と述べた。

 最後には、職場の同僚の例を挙げ、日本人は自分で考えようとする人が少ない、として、マナーポスターの多さの背景を考察した。

Text by NewSphere 編集部