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海外が報じた日本 7つの主要ニュース(11月9日~11月16日)

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1.サマリー
 11月2週目、日本の政治・経済についての主な記事は40記事近くで、前週同様かなり多かった。
 政治面では、特例公債法案の成立と、その後野田首相が急遽衆院の解散を表明したことが大きく取り上げられた。海外各紙は民主党の敗北と自民党の勝利を予測し、経済政策・外交姿勢の変化に着目している。外交面では、日米防衛協力指針(ガイドライン)の見直し、野田首相のTPP交渉への参加表明、そしてダライ・ラマ14世の訪日と重要トピックが目白押しだった。経済面では日本のGDPがマイナスに落ち込んだことが大きい。
 企業の業績・株価についても暗いニュースが多かった一方、日本発のソーシャルアプリ「LINE」がアジアで爆発的な人気を誇り、フェイスブックと対抗しているという特集が報じられた。

2.日本の政治
【衆院解散】
 海外各紙は、衆院選で民主党が敗北し自民党が勝利することを予測し、国家主義的傾向の強い安倍氏が首相に選ばれることを前提に、日本が右傾化する可能性について論じている。ウォール・ストリート・ジャーナル紙は、安倍氏がこれまで繰り返し中国に対して挑発的態度を取ってきたことを取り上げている。ただ、安倍氏が前回政権を担っていた時には、その発言ほどタカ派的な政策を実際に取っていたわけではないとして、就任後速やかに中国を訪問した事例をあげている。

【安倍総裁、日銀に追加緩和圧力】
 選挙後の経済政策の変化も注目されている。フィナンシャル・タイムズ紙は、安倍氏が日本銀行による積極的な金融緩和策を提唱していることに触れている。これによる円安を期待する声と、日本財政に対する信頼性が長期的に低下すると疑問視する声を紹介している。ウォール・ストリート・ジャーナル紙は、自民党がインフレ目標として、日銀の 1 % を上回る 3 % を掲げていることを紹介している。同紙によると、解散総選挙が報じられた後の市場が円安に振れ、国債価格が下落したのも、金融緩和策が強化される可能性が織り込まれたものだという。

3.日本の外交
【日米防衛協力指針(ガイドライン)の見直し】
 森本防衛相は9日、「日米防衛協力のための指針」(ガイドライン)の見直しについて、年末までに協議を始めたいという意向を示した。森本防衛相は、中国の海洋進出を始め、テロやサイバー攻撃の増加、北朝鮮の指導者交代など、安全保障リスクの変化が見直しの背景にあると述べた。
 海外各紙は、尖閣問題をめぐり海洋における中国との緊張が高まっていることが、今回の動きの背景にあるとみている。森本防衛相は「特定の国を対象にしたものではない」と述べているが、長島副防衛相はウォール・ストリート・ジャーナル紙のインタビューに対し、「中国の台頭は著しいわけだから、日米ともにヘッジをかけていかなくてはいけない」と述べ、日米間の協力拡張と役割分担の見直しが目的であるとしている。
 日米関係の不安定化も背景にある。ニューヨーク・タイムズ紙は、3年前左翼系の鳩山前首相が、普天間基地移転という苦肉の協定契約を撤回しようとしたことで日米関係はダメージを受けたと指摘。最近も、日米合同訓練のうち離島奪還訓練を日本が延期したことで日米間が緊張していると報じられた。協議のため米国を訪れた長島副防衛相がその緊張を和らげようとするものと同紙は見ている。
 またフィナンシャル・タイムズ紙は、米軍が沖縄に集中しており、暴行事件やオスプレイ配備への抗議行動が起こっていると指摘した。
 日本国内では別の観点からの議論もあると報じられた。ウォール・ストリート・ジャーナルは、森本防衛相が「日米同盟の本質を再考したい」「自衛隊が海外でもっと責任を果たせるよう日本国憲法を調整したい」と述べたことを挙げた。これは、集団的自衛権の行使に道を開くことを示唆している。実際、そのために必要な憲法改正に意欲を示す議員や官僚もいる。ただし、平和憲法の原則から離れてしまうと批判する者もおり、日本国内では議論が過熱していると同紙は報じている。

【野田首相、TPP交渉参加表明】
 野田佳彦首相はこの度、民主党の次期衆院選マニフェスト(政権公約)に環太平洋連携協定(TPP)交渉参加を明記する考えを示した。
 まず、アメリカが強く推進してきたTPPへの参加は、日米関係を強化するだろうとニューヨーク・タイムズ紙は報じた。特に、領土問題をめぐり中国との関係が緊張する中で、日米関係の強化は重要になると指摘した。
 一方国内では、信頼の回復・支持率アップへの狙いがみえるものの、反発も必至だろうと報じられている。民主党は2009年の政権獲得以降、度重なる公約違反や2011年に起きた東日本大震災による福島原発事故への対応力不足などで国民の信頼が失われてきたと指摘。こうした状況下で、産業界と農協の板挟みでTPP参加に消極的であった自民党との違いを鮮明にし、次期衆院選に臨む考えのようだとニューヨーク・タイムズ紙は分析した。輸出拡大を歓迎する都市部のホワイトカラー層を中心にアピールできるともみている。
 ただし、民主党内も割れていると、フィナンシャル・タイムズ紙は報じた。実際、2010年に菅直人前首相がTPP参加への検討を打ち出した際にも、党内からの反発により見送られていたと指摘。野田首相は、先延ばしにしている衆院解散の時期を年内に定めて総選挙への態勢を整えたいところだが、TPP反対派の離党による与党の衆院過半数割れが迫る状況では、党内議論を尊重するなど微妙な舵取りを迫られていくことになりそうだと報じている。

【ダライ・ラマ14世訪日】
 13日、日本の国会議員100人以上が集い、チベット仏教最高指導者ダライ・ラマ14世の講演会を開催した。このところ、中国のチベット自治区では中国の統治政策に抗議するチベット人の焼身自殺が多発している。前首相の安倍晋三自民党総裁は、「チベットで人権が弾圧されている現状を変えるために全力を尽くしたい」と述べ、中国を非難した。これに対し、中国は日本政府に抗議文を提出した。中国の洪磊報道官は前日、「ダライ・ラマの反中国分裂活動を支持するいかなる国、いかなる人間の、いかなる環境下での支援にも強く反対する」と述べていた。
 安倍氏が今回の講演で、日本の国会議員は何らかの役割を果たすべきであると述べたことを受け、「チベット問題は中国の国内問題」とする昨年11月の政府の公式見解とは異なる、とウォール・ストリート・ジャーナル紙は報じた。また、日本政府は官僚とダライ・ラマとの接触を許可しておらず、中国政府はこれまでも同氏の入国許可を巡り日本を批判してきたとフィナンシャル・タイムズ紙は報じている。
 同氏はオバマ大統領ら他国の指導者を訪問するたび中国政府の非難を浴びてきたが、日本はこれまで控えめな姿勢を保っていたという。定期的な来日もあったが、今までは私的行事を行うだけであり、今回の訪問が異例であることをウォール・ストリート・ジャーナル紙は伝えた。
 フィナンシャル・タイムズ紙は、今回安倍氏がダライ・ラマを擁護したことを受け、中国外相が中国版ツイッター「ウェイボー」で、日本の右翼がダライ・ラマの反中分裂活動を公然と支持することを厳しく非難すると述べたことを報じた。

4.日本の経済
【GDP、マイナスに転じる】
 日本政府は13日、国内総生産(GDP)が前年より3.5%減少したことを発表、昨年の震災以降最悪の状況に入ったことを示唆した。今後の政府と日本銀行による景気刺激策などの回復への取り組みが注目される。
 GDP悪化の主な原因として輸出不振、個人消費の悪化が挙げられる。フィナンシャル・タイムズ紙は中国との関係悪化に注目、景気を回復する余地は十分あったが、日本の全メーカーは中国での不買運動により売上が激減、貿易収支は過去最大の赤字を記録した。震災の影響に加え、重要な取引相手である中国への輸出量減少が深刻な影響を受けていると報じた。
日中関係の早期解決が景気回復につながることを主張するニューヨーク・タイムズ紙は世界における経済危機の影響についても言及している。中国やインドのような急成長中の国々に抜かされるのではと懸念している。しかし、アメリカなどの経済指標が回復の兆しを見せていることで日本の輸出量復活に望みがあると報じた。
 今回の状況は野田首相をますます苦しめる展開となっており、今後の動向が注目される。政府と日銀は10月につづく新たな景気刺激策の実施をウォール・ストリート・ジャーナル紙は報じた。しかし野田首相の下では控え目な政策で、結局莫大な公共負債だけが残るのではと懸念、早期の景気回復については厳しい見方をしている。

5.日本のビジネス
【スズキ、アメリカ自動車販売市場から撤退】
 スズキは、アメリカの四輪車販売事業から撤退を決めた。トヨタ・日産・ホンダ、富士重工・ダイハツに次ぐ措置となる。スズキは1985年にアメリカ市場に参入、タフな低価格オフロードカー「サムライ」を主力商品とし、小型車を販売していた。
 今回の撤退の主要原因は世界的金融危機と円高と考えられるが、ニューヨーク・タイムズ紙は、販売システムの拡張維持コストと州連邦両政府による厳しい法規制も影響したと報じた。またウォール・ストリート・ジャーナル紙は、米韓の小型車競合との競争激化を挙げた。
 スズキは今後、インドを筆頭に東南アジアへの販売を強化する方針という。

(Newsphere編集部)

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