韓流ブーム終わった? “キラーコンテンツの開発必要”と韓国メディアが分析

少女時代

 日本では韓流ブームは去ったと言われて久しい。一時盛況だった東京・新大久保の韓流ショップも閉店する店が相次ぎ、テレビでも韓流ドラマの放映は減った。一方で、昨年末行われた少女時代の東京ドームコンサートは盛況だったようだ。この状況を韓国メディアはどう報じているのだろうか。

【日本の韓流ブームは終わったのか?】
 2013年11月時点で既に、NHKの「時論公論」が、「韓流ブームは終わったのか?」というテーマの放送を行っている。韓流ドラマのDVD売り上げ低迷や両国間の人の往来の減少について取り上げ、その背景には日本国内の「嫌韓」現象があるとしている。

 一方、韓流ブームの韓国への影響についても取り上げ、人や文化の往来で、日本に対する警戒感が少なくなった韓国人もいることや、日本の批判一辺倒から徐々に「政治に振り回されるべきではない」と変化を見せるようになった韓国メディアにも言及する。互いに必要としあうパートナーとなれるか、決めるのは国民ひとりひとりであることを忘れてはならない、と結んでいる。

 日本の韓流ブームに対する韓国メディアの見方はどうであろうか。昨年7月に、「韓国日報」のある記事が日本の韓流ブームが終わったのかどうか検証を行っている。アンケートに回答した韓流コンテンツの日本人利用者の半数は「韓流は既に終わった」とし、飛ぶように売れていた韓流コンテンツの不振が顕著になっていることを報じている。専門家たちは、この最大の原因を右傾化した日本の「反抗気流」とし、さらに続いてコンテンツのクオリティが落ちたことや円安によるコンテンツの価格上昇を原因に挙げている、と言及する。

 しかし、東方神起やビッグバンのツアー動員数やアルバムのヒットチャート入りを例に挙げ、韓国アイドルたちの活躍は続いているとし、強力なファンが存在していること、依然として日本市場が魅力的であることに触れる。今までのような爆発的な成長は見込めないものの、新たなファン層獲得のためのキラーコンテンツの開発が必要であると結んでいる。

【盛況だった少女時代の東京ドームコンサート】
 韓国の人気ガールズループ「少女時代」が昨年12月9日、東京ドームでの初単独コンサート「GIRLS’ GENERATION 『THE BEST LIVE』 at TOKYO DOME」を終えた。約5万人の観客を動員したとされ、日本デビュー4周年で初の東京ドームでのコンサートに多くの日本人ファンが集まり、大盛況であったことが日本各メディアでも報じられた。

 「中央日報」やインターネット・エンターテインメントマガジン『10asia』では、この東京ドーム公演を「少女時代のグローバルな影響力と人気を再び実感させた」ものとしている。さらに、「東京ドーム公演」が日本人アーティストにとってどのようなものであるかに同時に言及する。

「東京ドームは、日本でもトップアーティストだけが立つことのできる夢の舞台。」

 芸能専門メディア「DisPatch」の記事では5万人あまりのファンが集まったこの公演を「韓流の威厳を立証した」としている。日本人アーティストにとっての「夢の舞台」は韓流アーティストたちにとってもまさに夢の舞台だった。東京ドームで韓国人アーティストが公演することは、韓国から見て日本の韓流ブームの象徴だった。

【東京ドームに立った韓流スターたち】
 上記の『10asia』はさらに、東京ドームに立った他の韓国人アーティストたちにも言及する。韓国人アーティストで最初に東京ドームの舞台に立ったのはRain(ピ)だ。このときは4万3000人の観客を動員したが、ここでSMAPや宝塚歌劇団のメンバーが東京ドームに足を運んだことにも触れている。2009年には当時5人体制であった東方神起が東京ドームコンサートを行い、2012年には2人体制の東方神起、スーパージュニア、ビッグバンが東京ドームの舞台に上がった。この一連の公演が、「日本国内の韓流ブームを実感させた」としている。

 韓国メディアでは、アイドルたちの活躍は韓流ブームがまだ続いていることの象徴として取り上げられるようだ。日本国内でも韓流ブームはもう終わったという説があるものの、根強いファンも多い。今後はよりクオリティの高いコンテンツが輸入されることも期待できる。今年もエンターテインメント業界は盛り上がりそうだ。

Text by NewSphere 編集部