パズドラは中国でも流行るのか? テンセントの実績、模倣ゲームとの戦い…海外の分析は

 日本で人気のスマホゲーム「パズルアンドドラゴンズ」(パズドラ)が、中国でリリースされることになった。パズドラを運営するガンホー・オンライン・エンターテイメントは、中国のソーシャルメディア大手テンセントとの提携を発表した。今後、テンセントと協力して、中国のユーザーが好むキャラクターを作成するなど、ローカライズを行っていくという。

◆テンセントの思惑とは
 テンセントは、中国で月間4億6800万人の利用者を持つスマホ向けの対話アプリ「WeChat」や「QQ」などのコミュニケーションサービスを運営している。また、中国最大級のオンラインゲームプラットフォームも展開している。

 しかし近年、業界内での競争が激しくなっていた。そのため、より魅力的なゲームやエンターテイメントを提供するために、日本企業との提携を模索していたとウォール・ストリート・ジャーナル紙は伝えている。

 同紙によると、テンセントの経営陣は、ガンホーとの提携を決断する前に、複数の日本のゲーム開発企業や、出版社とコンタクトをとっていたという。ゲーム開発や漫画分野における日本の能力は目を見張るものがあり、中国企業にとっては非常に魅力的なのだという。

◆ガンホーの思惑とは
 ガンホーが2012年にリリースしたパズドラは、高い人気と高い利益率を誇ってきたが、それも陰りが見え始めた。国内で新しいユーザーを開拓するのが難しくなり、利用者は横ばい傾向だ。株価の下落も大きく、ブルームバーグによると、昨年5月には1550円を記録したが、現在は500円前後まで落ち込んでいる。

 ガンホーは企業利益のおよそ90%を占めるパズドラからの収益を維持するためにも、海外の巨大市場を開拓する必要があった、と海外メディアは分析している。

◆勝算は五分五分?
 ただ、中国でのリリースが遅すぎたのではないかという声もある。ソーシャルサイト『GAMES IN ASIA』は、中国ではパズドラの模倣ゲームも出回っており、もはや中国ユーザーにとってパズドラは魅力的ではない可能性がある、と指摘している。

 同時に、テンセントが海外で成功したゲームを輸入し、中国でさらに成功させることを得意としていることも指摘。中国のPCゲームトップ3は、すべてテンセントが中国に輸入した海外のゲームであり、リリースから5年以上が経過しているものだという。

 テンセントがガンホーと提携したのは、中国でパズドラをヒットさせる自信があったからだろうか。両社の新たな取り組みの結果に、注目が集まる。

Text by NewSphere 編集部