中国初「ハローキティパーク」開園へ “上海ディズニーと競合”と現地メディア

 11月に40周年を迎えたハローキティ。日本のみならず海外でも高い人気を誇り、世界各地でさまざまなイベントが開かれている。10月30日から11月2日にかけて、米カリフォルニア州のロサンゼルス現代美術館で「世界初の公式ハローキティ・コンベンション」『HELLO KITTY CON 2014』が開催。また、10月から来年4月までの間、全米日系人博物館で、ハローキティ展が開催されている。

 さらに中国東部浙江省では、先日中国初のハローキティのテーマパークが完成し、関係者出席のもと落成式が行われた。

◆中国初!本格的サンリオ・テーマパーク
 英デイリー・メール紙によると、浙江省安吉県に建設されたテーマパークは、2億1000ポンド(約392億円)をかけた本格的なテーマパークで、2015年新年に開園予定。施設は、日本のサンリオと米カリフォルニアのヘテマ社が共同で設計を行った。年間100万人の訪問客が期待されているそうだ。

 ヘテマ社のHPによると、新しいテーマパークは、キティが多くの友達とくつろげる場所だという。「ハローキティパークは、お祭り気分の遊園地であると同時に自然公園でもある。子供が想像を広げ体験をすることで、環境について学ぶ場だ」と説明。5つに分けられた、ユニークな庭ではそれぞれ、木、火、水、鉄、土という、自然の5つの要素を紹介している。キティの案内で様々な体験学習にも参加できるという。

 一方、中国国営テレビ局、中国中央電視台は、2016年の上海ディズニーリゾートのオープンにより、ハローキティパークは困難な状況に直面する可能性があると報じている。

◆世界中で人気のキティには、裏の顔が!?
 英ガーディアン紙は、ハローキティの世界的な人気の秘密について報じる記事を掲載している。同紙によると、ハローキティに関連した5万点以上の商品が、世界130を超える国で販売されている。サンリオははっきりとした数字の公表を控えているが、同紙は全世界で年間50億ポンド(約9176億円)の売上があると推定している。

 同紙は、ハローキティは小さな女の子だけではなく、全ての年齢、消費者層に渡り、際限ない愛情が寄せられているとし、記事のタマラ・ヒンソン記者は、その人気を知るべく、ハワイでハローキティの顔をしたスパムおにぎりを作るワークショップに参加している。そこで講師が参加者にキティを一言で表すと?と訊ねると、「ハッピー」や「喜び」「友達」「スマイル」などの言葉があがったそうだ。しかし、その一方で、強力な可愛さが特異なコスプレなど、性欲化するという裏キティとも言うべき側面も取り上げている。

 また、『男だってハローキティが好き』という座談会も大変人気だ。出席者は女性が多いが、男性ファンも多分に存在することは確かだ、と伝えている。

◆キティの懐は果てしなく広い
 現在のハローキティのイラストレーターは3代目となる山口裕子さんだ。ハローキティが宗教なら、彼女は教皇だ、とガーディアンは紹介している。山口さんは、キティについて、「彼女は、いわば真っ白なキャンバス。世代や性別を超えたファンがいる。みんなハローキティの全てを受け入れ愛してくれる」(ガーディアン)と話す。

 ハローキティの成功は、それ自体の単純性にあるのだろう。ハワイ大学のクリスティン・ヤノ教授は、「世界はどんどん複雑になり、ハイテク化している。ハローキティのように、シンプルでローテクなものは、より単純なものや時間に回帰するノスタルジックな衝動を感じさせるのだろう」(ガーディアン)と分析している。確かに、サンリオは、このデジタル時代に、かわいい便箋を揃えることにこだわっている、と米エンタメ情報サイト『フュージョン(FUSION)』はアメリカでの展覧会の感想を述べている。

 『キティコン』イベントを宣伝するYouTube動画では、「You can never have too many friends(友達って何人いてもいいよね)」という言葉が流れる。「彼女は、あなたが何をしようと関係なく受け入れてくれる、可愛い無言のアイコンなのだ」(ガーディアン)ヤノ教授は、キティの懐の広さを説明した。

Text by NewSphere 編集部