W杯敗退日本、「土壇場の闘争本能が欠如」と海外メディア酷評

 24日17時53分(日本時間25日6時53分)、「ピッ、ピッ、ピーーー」と審判の試合終了の合図が鳴った。決勝トーナメントに進出する条件の一つに、どうしてもこのコロンビア戦に勝つ必要があった日本代表だが、1-4と完敗を喫した。うつむく日本代表はピッチを後にし、日本代表のW杯は開幕から約2週間で幕を閉じた。

 日本戦に臨むにあたって、決勝トーナメント進出をすでに決めていたコロンビアは第2戦に出場したメンバー8人を変え、カリスマプレイヤーのハメス・ロドリゲス選手などのスタメンを温存のため先発から外し「実質2軍」で臨んでいる。前半戦は日本に押され気味だったが後半戦からロドリゲス選手を投入して流れを変え、3点を奪うことに成功した。

 同時刻に同グループのギリシャVSコートジボワール戦も行われていたが、劣勢だと見られていたギリシャがコートジボワールを破り、4位から2位に浮上し決勝トーナメントにコマを進めた。

 日本は、2010年の南アフリカ大会ではベスト16、2011年のアジアカップでは優勝と力をつけてきていると思われていたが、今大会で改めて世界との「差」が浮き彫りになった。以前から言われている絶対的エースストライカーの不在を改めて思い知らされる結果となった。

【勝ちなしで終わった日本代表に海外メディアは】
 初戦のコートジボワールでは1‐2、第2回戦のギリシャとは0‐0、最終戦では1‐4と勝ち星のない日本に期待していたファンやサッカー関係者からの期待を大きく裏切った形となった。

 コートジボワール戦では、先に得点したが守り切れず逆転負け、ギリシャ戦では相手チームが一人退場となり10人と数の上では優位に立ったにもかかわらず、ゴールを割ることができなかった。コロンビア戦では、後半から投入されたスター選手の活躍などで3点を失った。

 ワールドカップ前の英ブックメーカー3社の予想では、グループCの4チームはオッズに大きな差がなく、力が拮抗していると見られていたため「やってみなければわからない」状態であったが蓋を開けてみればこのような結果となった。

 AP通信は、日本代表には、「闘争本能(killer instinct)」が欠如していたと評し、コートジボワールのドログバ選手やコロンビアのロドリゲス選手のようなカリスマ性があり、流れを変えられるだけのスター選手がいなかったとしている。

【ザッケローニ監督の進退】
 「監督として責任取る」、とザッケローニ監督の進退を示唆する発言を南アフリカのデジタル衛星放送『DStv』は取り上げている。ザッケローニ監督の任期は今回の大会終了までであり、その進退について海外各紙が注目している。

 ザッケローニ監督は2010年8月に岡田武史氏の後任として日本代表監督に就任し、2011年にはアジアカップの優勝に導いている。今大会では8強進出を目標に取り組んできたが思うような結果がでず、「ディフェンス」「メンタル」「フィジカル」などと難題を抱えていたが克服に至らず、「アプローチを誤ったときに、一つの原因に帰するのは難しい」と語った。

 進退について「日本サッカー協会の方と話し合いをしてから、残るかどうかを話すつもりです」と述べ「まずチーム内で議論されることが適切であるように思います」と明言を避けた。

 アジア勢(日本、オーストラリア、イラン、韓国)はいずれも勝ち星がない状態だが、まだ試合の残っているイランと韓国の活躍に期待したい。


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NewSphere編集部
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Text by NewSphere 編集部